2020年07月02日(木) 更新

エントリーシートに記載できるのは「御社」?「貴社」?【意味と使い方】

エントリーシート(ES)では「貴社」が正しい表記

「御社」も間違いではないが「貴社」が好ましい

エントリーシートを書くときに、「御社」か「貴社」なのか戸惑うことは就職活動を始める上で、一度は経験するものです。この2つの言葉は、意味合い的には同じなため、厳密にはどちらも間違いではありません。
しかし、正式には「貴社」という言葉が古くから相手を敬う言葉として扱われてきました。そのため、エントリーシートといった書類上では、「貴社」という言葉を用いましょう。もちろん、書類上でも「御社」という言葉を使用することは、間違いではありません。「御社」と書類上に記載したため、選考に落ちることも心配する必要はありません。
ただし、採用担当者も、書類上では「貴社」という言葉を見慣れているはずです。読み手への配慮という意味でも、やはり「貴社」を使用する方が無難です。よほど、何らかのこだわりがない限りは、書類上では「貴社」と書きましょう。

使用する言葉を統一させることが重要

「御社」と「貴社」が、言葉として同じ意味を持っているため、エントリーシートではどちらを使用しても間違いではありません。しかし、この2つをエントリーシートの文章内で同時に使用してはいけません。どちらの言葉を使用するにしても、書類内で表記を統一させるように注意しましょう。
大前提として、同じ書類内で「御社」と「貴社」が使用されていては、とても読みにくい文章になります。また、「御社」と「貴社」という2種類の言葉を使用することで、何を示しているのか分かりにくくなってしまいます。一般的に、この「御社」と「貴社」は、選考を受ける企業に対して使用する言葉です。読み手である採用担当者からすれば、意味が同じ別の言葉を同時に使用しているのは、別の企業のことまで示唆しているのかと不必要な勘繰りまでしなくてはならなくなります。

昔は「御社」という言葉は存在しなかった

「貴社」という言葉は明治以降、かなり昔から使われていました。
しかし「御社」は比較的最近になって使われるようになった言葉なのです。一説によると、使われるようになってまだ20数年しか経っていないといます。これはどういうことなのでしょう。

貴社には同音異義語が多いため生まれた

もともと相手の会社を表現する尊称は「貴社」でした。
しかし、「きしゃ」という言葉には「帰社」や「記者」など同音異義語が多いため、混同や聞き間違いを避けるために「御社」という言葉が使われるようになったのです。
つまり「御社」は、その発生から考えても「話し言葉限定」ということになります。
一方「貴社」は、もともと相手の会社の唯一の尊称だったわけですから、当然、話し言葉にも書き言葉にも使われていました。ですから、主にエントリーシートや履歴書などの書き言葉として使われるようになった現在でも、話し言葉に使ってもOKということなのです。

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「貴社」と「御社」の意味を把握すべき

エントリーシートで相手の会社を表現する際は「貴社」を使うのが基本になります。
しかし、実は「貴社」は万能な言葉ではないのです。というのも、「貴社」の「社」が会社を表現しているからです。
つまり、「会社以外の団体や組織を『貴社』と呼ぶのはおかしい」ということなのです。

「貴社」は書き言葉

「貴社」という言葉の「貴」は、相手に対する尊敬や尊重を示しています。そこに相手の属する言葉を添えることで、相手に対する敬いを表現しています。
相手の所属する組織によっては、添えられる言葉が変化します。そのため、どのような場面でも、「貴社」という言葉が万能に使用できる訳ではないことも覚えておきましょう。例えば、銀行であれば「貴行」、学校であれば「貴校」といった変化をします。就職活動中や社会に出た後にも、こういった言葉の変化がされることは覚えておきましょう。
民間企業であれば、「貴社」でほとんど通じます。しかし、民間企業と同時に公務員の試験を受けることを希望している人は、特に注意しておきましょう。公務員は、企業ではないので、志望先ごとにどのような言葉が当てはまるのか調べれなければなりません。

「御社」は話し言葉

「貴社」が正しい敬語の言葉として、長く使用されてきました。しかし、「貴社」という言葉との同音異義語が多く、混同してしまいがちです。そこで、間違いをなくすために生み出されたのが、「御社」という言葉です。そのため、話し言葉として「御社」を使用するのが、現在の一般常識になっています。これは、就職活動でも当たり前のことになっており、面接中に企業について言及する時は、「御社」と言いましょう。
面接中に「御社」と「貴社」を間違えて言ってしまわないか、心配な人が出来る対策方法が、1つだけあります。それは、繰り返し「御社」という言葉を口に出してみるということです。「御社」と「貴社」という言葉に共通するのは、どちらも普段から口にする機会の少ない言葉であるということです。そのため、面接を迎える前の期間に、入浴中や就寝前といった一人の時間に「御社」と声に出して口と耳で慣れておきましょう。面接の事前に「御社」という言葉を慣れさせておくことで、自然と「御社」と「貴社」を間違える心配がなくなります。

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「貴社」の使い方例

「貴社」という言葉なしに、エントリーシートを書くことは難しいです。特に、志望動機などでは、必ず相手企業のことを指し示す意味の「貴社」を使用することになります。
上手に「貴社」を使いこなすためには、様々な例文を参考にして自分なりに活用する方法を身に付けるしかありません。もちろん、志望動機をそのまま真似するようなことをしてはいけません。しかし、他者が書いた文章を参考にして、どのような文章を書くことが出来れば採用担当者に評価されるのか知る意欲は大切です。

エントリーシートの志望動機1

地方活性を第一の目標に掲げる貴社の考え方や事業内容に興味を持ちました。特に、若者が都市部で働くだけでなく、地方で働く選択肢を見出すための活動に積極的に取り組んでみたいです。
私自身、高校生まで地方に住んでおり、大学から都市部に引っ越してきました。確かに、都市部は魅力的なことがたくさんありました。しかし、負けないぐらい地方にも魅力的なことも実感することが出来ました。また、今後インターネットの発達によって、都市部だからこそという価値観も徐々になくなっていくと考えています。
この経験から、日本の若者が都市部ばかりに目が行ってしまう状況を打開し、地方で生きることにも魅力を感じることが出来るような社会を貴社で実現したいです。

エントリーシートの志望動機2

私は、扱う商品に応じて、全く想像も出来ないような広告を作成する貴社が持つ独自の発想力に感銘を受けました。
街中を歩いている時や、電車に乗っている時に私たちはたくさんの広告を見ています。どれも似たような広告ばかりで、意識してみることは稀なのではないかと思います。しかし、貴社の作成する広告だけは違います。道行く人が、思わず2度見てしまうような魅力を放っています。貴社の広告は、ただ宣伝を行うのではなく、どうすればその商品が人々の手に取ってもらえるのかまで考え抜かれているからこそだと思います。
私も細部にまで意識が渡るような広告を作成することが目標です。そのために、貴社に入社し貢献することで、成長したいと考えています。

エントリーシートでは書き言葉の「貴社」を使おう

企業側がチェックするのは、ESの内容だけではありません。内容と同時に、文字の丁寧さや言葉の使い方も、細かくチェックされます。 ESや履歴書では書き言葉の「貴社」、面接時は話し言葉の「御社」という点を把握して、正しく御社と貴社を使い分けましょう。
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