2018年12月14日(金) 更新
面接で得意科目や不得意科目を質問する採用担当者の意図【例文あり】
この記事の監修者
キャリアアドバイザー
赤塩 勇太大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。
目次
面接で得意・不得意科目を聞かれたときの対応には個人差がある
就活生の回答
突然ですが、就活生のみなさんは面接対策は順調ですか?
キャリアパークでは、会員の就活生を対象にアンケートを実施しました。
就活生の回答
キャリアパーク会員の就活生を対象に「面接で得意・不得意科目を聞かれたときにどう答えますか?」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。
- なんの科目ではなく、どのような科目かを答える
- それぞれの理由とどのように取り組んでいるのか答えます
- 得意科目は英語、不得意科目は数学
- 正直に答える、不得意に関しては克服するために工夫したことなどを話す
- 国語、英語が苦手です
■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年3月6日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「面接で得意・不得意科目を聞かれたときにどう答えますか?」
面接で得意・不得意科目を聞かれたときの対応は、就活生によって差があることがわかりました。理由や取り組み方を伝えるという意見や、不得意科目については克服のための工夫も話すという就活もいるようです。得意・不得意科目の質問には、どのような回答の仕方が好ましいのでしょうか。この記事では、質問の意図や回答する際に気を付けるポイントについてご紹介します。
面接で得意科目が聞かれる意図
これから皆さんが就活で面接を受ける際に、得意科目について詳しく聞かれることがあるかもしれません。その時に、どのような回答をするべきなのでしょうか。また、なぜ得意科目について質問されるのか、意図を確かめましょう。
意図①:学習方法や取り組む際の心構え
最初の意図として挙げられるのは、学習方法や取り組む際の心構えを知るためです。得意な科目に関して、どのような姿勢で取り組んでいるのか、また、学習方法を知ることでどのような仕事の仕方で働いてくれるのかをイメージする要素になります。
意図②:得意な理由や会社の発展につながるかどうかを知りたい
採用担当者が面接で得意科目について聞く意図として、その科目が得意な理由や、その能力が事業発展の一助となるかを知りたい点も挙げられます。企業側としても、新たに仲間に加わる社員には、得意科目の勉強と同じように積極的に業務にまい進してほしいと思っています。なお、得意科目と業務内容がリンクしているからといって高く評価されたり、採用に有利になるわけではありません。学んだ内容や知識に対する理解度などをもとに、総合的な評価をおこなう企業がほとんどです。
意図③:目的意識をもって仕事を取り組む人材かを見極めている
勉強をする際、「良い評価を貰いたい」「良い点数を取りたい」と目的意識をもっていることが多いのではないでしょうか。仕事をするうえでも目的意識を持つのは非常に重要で、明確なビジョンがなければどの業務もうまくいきません。得意科目に対する返答によって、面接を受ける志望者の意識を見極めるのも質問の意図として挙げられるでしょう。
あなたの面接力は何点?
得意科目や不得意科目の質問対策を始めている人は、面接準備がはかどっているのではないでしょうか?面接は事前準備が重要ですが、現時点での面接力を診断することで、より念入りな対策を進めましょう。
そこで活用したいのが「面接力診断」です。自分の弱点を把握するとともに、どこを伸ばせば面接力が高くなるのかが一目で確認できます。内定を獲得するためにも、バランスよく面接に必要なスキルを身につけておきましょう。無料でダウンロードできるので、気軽に試してみてくださいね。
得意科目を答える際は具体的なエピソードが必要
得意科目についての質問をされた際は具体的なエピソードを交えて回答するのが望ましいです。例えば以下のような回答が望ましいでしょう。
具体的なエピソードを交えた回答例(地質・農業)
私が特に得意なのは地質学と農業分野です。得意となったきっかけは地元の土壌が深さ30m以上の火山灰によって形成されており、なぜこのような大量の火山灰が覆っているのか、そしてどのような経過を経て農業ができるようになったのかについて興味を持ったからです。数千~数万年前に発生したかなり大規模な噴火による現象であることがわかりましたが、自然の脅威にさらされながらも知恵や工夫を張り巡らせて現在の大規模農作地帯に変化していった様子を、フィールドワークを繰り返しながら学習しました。そのため、他の誰よりも、不作農地帯の土壌改善に向けたプロセスや農業振興に取り組むための工夫を理解していると自負しています。
上記でも説明した通り、得意科目に対する姿勢が実際の業務にどう反映されるか、具体的な回答によって採用担当者もイメージしやすくなります。
科目の詳しい内容は全く求められていない
回答時の注意点として、「私の得意科目は○○です。」とただ得意科目しか述べなかったり、単純な理由しか述べないのはやめましょう。採用担当者はこの質問を通じて、仕事に対する意欲や学んできたことが仕事にどう活かされるのかを知ろうとしています。そのため、回答の内容が単純なものだと評価を下げる結果につながりかねません。
具体的なエピソードを交えた得意科目の例文
それでは、ここで得意科目に対する質問の回答例を2つ紹介します。例文を参考に、得意な科目の回答はもちろん、なぜ得意なのか、得意科目やその勉強方法が仕事にどう活かされるのか、ポイントを抑えた答えができるよう身につけましょう。
回答例①:探求心の強さをアピール(歴史)
私が最も得意とする科目は歴史です。
日本史や世界史などさまざまなジャンルがありますが、そのどれもが興味や関心をもって取り組めました。特に日本史の江戸から明治にかけての政治的な変化や、文明開化への道のりなどを意欲的に学習しており、愛知県にある明治村へ訪問して、その時代の建築や文化について追体験しながら知識を得ていました。
その当時の文化や歴史を生み出した場所へ実際に訪れながら学ぶ姿勢は、貴社がモットーとする、常に学び、常に理想の実現に向け求め続ける業務の遂行に結び付くと考えています。
回答例②:実際の業務に役立つ点をアピール(公民・行政)
公民の中でも政治や行政に関する項目が一番得意です。
日々の生活を支える存在として行政は欠かせません。幼い頃から政治家の方が出演されるテレビ番組などを視聴していたこともあり、政治のプロセスや行政との関連を意欲的に学び続けました。その結果、テストや通知表の成績でも最高評価を得られました。評価を維持し続けるために、4つの新聞を読み比べたり、国会図書館で行政に関する書籍を月に10冊以上読んで分析するなど、常に他の誰よりも行政に関する知識を得ようと努力しました。
ふるさとである○○市で働く際に、この知識は必ず活かせると考えています。入庁後も得意科目であることを活かして、意欲的に学びながら○○市の発展の一助に努めたいと思っています。
面接で不得意科目・苦手科目を質問する意図
面接で採用担当者が得意科目の勉強をする意図や例文について紹介しました。続いては、不得意な科目、苦手な科目を質問する意図について紹介します。内容次第では非常にプレッシャーのかかる質問かもしれません。そこど、意図をしっかりと理解すれば、本番で実際に聞かれたときにも、評価をアップさせる回答ができるでしょう。
意図①:業務内容が不得意科目に該当するかを確かめる
不得意科目を質問する意図として挙げられるのが、実際の業務内容が不得意科目に関連する内容ではないかを確かめる点です。間接的にかかわる程度であれば、研修や先輩社員のアドバイスで身につけることができるかもしれません。しかし、不得意分野と完全にリンクする業務内容だと、仕事が長続きしない可能性も考えられるため、面接の段階で把握するのです。
意図②:自分に不利な内容を話すことに対する反応を見る
自分にとって不利な情報を話すことに対する反応を確かめたい、との考えで聞くケースも挙げられます。そのような情報を伝える際、どうしても詳しい内容ではなく、さわりしか話さない人もいるでしょう。しかし、実際の業務においては、仕事でのミスや自分にとって不利益なことを上司や取引先などに伝えなければなりません。もし、この質問で中身のある回答ができないと、「不利な情報は伝えない=報連相ができない人」と評価される可能性があります。
意図③:自分自身を客観的に評価できる人材かを判断する
苦手なことについて聞くことで、自分自身をどれだけ客観的に評価できる人間なのかも読み取れます。苦手なことは自分を客観的に見ていないと分かりづらいものですよね。仕事による失敗を防ぐには、客観性をもって取り組むのが重要です。苦手なことにどう取り組んできたか、どういう意識を持っているかを自己分析したうえで回答しましょう。
面接で不得意科目を回答する際は誰でも分かる教養科目から答える
不得意科目を面接で回答する際、大学生や専門学生だとある分野の特定のジャンルに関して不得意だったと伝えがちです。ただ、あまりにも専門性の強い教養科目だと、採用担当者も難しさをイメージしづらくなってしまうため、簡単な説明で科目内容を理解されるような分野をピックアップして答えましょう。
苦手だった理由や克服するための努力をアピールする
不得意科目に対する回答においては、苦手だった理由や克服するためにどのような努力を続けているのかについてアピールしましょう。ただ単に「苦手です、不得意です」と答えるよりも「苦手だからこそ勉強方法を工夫して評価が上がるよう努力しました」と伝えたほうが格段に評価されやすいです。仕事でも不得意な業務があるかもしれません。そんな時に、ある程度時間がかかっても責任をもって取り組もうと努力する人を企業は評価します。その点を意識した回答をおこないましょう。
面接で回答する際の不得意科目の例文
就活の面接で実際に「不得意科目は何でしたか?」と質問された時に、どのような回答をすると印象が良いのでしょうか。回答の仕方によって大きく印象が変わりますので、得意科目の回答と同様に、回答例も交えながらポイントを紹介します。
回答例①向上心や柔軟な思考力をアピール(文化人類学)
私は、比較文化論の科目が苦手でした。
その授業では、アメリカを中心とした海外のエンターテインメント作品について扱っていたのですが、物事を論理的に把握するのが得意な自分にとって、感性的な素養を求められるこの学問は最初かなりとっつきにくいものがありました。
ただ講義を受けていく中で、そうした感性的な理解以外にも、様式美や約束事のような点から作品を捉える視点も存在すると知り、まずはそちらの方向からアプローチしていくように意識した結果、講義の中で説明されなかった作品ジャンルや文化全般の歴史などを自主的に学べて、だんだんと講義も理解できるようになりました。 そうした学習を続けていくと、作品の面白さを見抜くコツのようなものが見えてきて、最初は理解できなかった感性的な魅力なども徐々に掴めるようになりました。
以上のような解答例では、元々自分が得意としている能力をはっきりさせている上、壁にぶつかっても普段と違ったアプローチをしてみることで、結果として大きなメリットを得たと良く分かります。こういったアピールで、自分の向上心や柔軟な思考力をもっていると印象付けられるのです。
2回答例②とにかく努力したとアピール(数学)
私が苦手なのは数学です。
学生時代の授業では、なかなか授業時間内に問題を理解できず、休み時間は数学の得意な友人に質問したり、家でも自力で解けるようになるまで何回も問題を解いたりしていました。長く勉強した割にはいつも平均点に届くのがやっとで、最後まで得意科目にはできませんでしたが、それでも不得意科目を平均点まで上げられたのは、この努力があったからこそだと思っています。
このような回答例で、自分が努力してこれぐらいの成果がでるようになったのだと伝えるのも有効です。苦手だったことを伝えるのではなく、苦手なものをどう克服しようとしたかを伝えるように注力しましょう。
面接で得意科目・不得意科目を聞くのは目的意識をもって取り組む人材かを判断する意図がある
就活の面接で得意科目・不得意科目や苦手なものを面接で聞かれた場合の回答例について見てきましたが、就活で・得意科目・不得意科目を聞かれた際は、人事や面接官は単純にその事実を知りたいわけではありません。そういった事実の背景にあるものや、連想される考え方や生き方、そして価値観を聞いているのです。
得意科目や苦手なこと、苦手科目、苦手な教科などその質問に的確に答えるには、自分の出来る努力をどう行い、問題解決への道筋を立てたのかが大事なポイントです。得意科目・不得意科目への対処の回答例を参考にして、自分なりの回答の作成をして面接に臨みましょう。
キャリアアドバイザー|赤塩 勇太
「不得意科目はありません」は避けたい
得意科目・不得意科目を通じて、その人がどのような考えの持ち主であるかを知りたいと思っている面接官がほとんどです。そのため、「不得意科目はありません」となってしまうのは微妙です。
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