2020年07月02日(木) 更新
「取り急ぎ」「御礼まで」の意味と正しい使い方【例文あり】
目次
「取り急ぎ」の意味と使い方
まずは、「取り急ぎ」の意味と使い方を把握していきましょう。取り急ぎとは、「とりあえず急いで。多く、手紙文の末尾に用いる」という意味。広辞苑では「もろもろの儀式・説明を省略し用件だけを伝える意」とあります。とにかく非常に便利な言葉であり、ビジネスシーンでもプライベートでも「取り急ぎ」は、メールなどで頻繁に見かけますよね。
しかし、とくに社会人になりたての人などは、「取り急ぎ」の使い方に迷うこともあるでしょう。一般的な「取り急ぎ」の使い方を確認してみましょう。
「取り急ぎ」の一般的な使い方
「取り急ぎ」を使うのは、主に急な要件を伝える場合です。手紙でもメールでも、末尾に用いられることが多いと言えます。たとえば「取り急ぎ、ご連絡まで」など。意味としては、「まずは、急ぎご連絡します」といった内容と捉えられます。
「取り急ぎ」は目上の人には使わないのが無難
ビジネスシーンでは日常的に「取り急ぎ」を使っている人が多く見られます。よく見かける表現であるが故に、取引先などのお客さまや上司など、目上の人にも安易に使ってしまいがちですが、相手によっては、「失礼だ」と感じる人も少なからずいるようです。
「取り急ぎ」は広辞苑にもあるように、儀礼を省略し十分な説明をされていないという意味合いを含みます。そのため、相手に対する敬意がない言い方だと受け止められてしまう可能性もあり得ます。
ただし、場合によっては安心感を与える良い効果も
基本的には目上の人には使わないほうが無難な「取り急ぎ」ですが、状況や相手との関係性を考えたうえで、至急連絡することで安心感を与える場合は、逆にプラスの印象になることも。相手が可否を待っている状態なら、「提起の件、お受けいたします。取り急ぎご連絡まで」とすぐさま連絡を入れることで、安心感を与えられますよね。 ただし、のちほど詳しい補足を記載したメールを改めて送る配慮は大切です。そこまでできてこそ、社会人の言動と言えます。「取り急ぎ」を使用する場合は、使い方により注意を払う必要があるということですね。
「取り急ぎ」を使ってしまった人の体験談
僕が社会人になりたての頃の話ですが、やっとの思いで開拓した顧客とのメールで一度「取り急ぎまで」を使ってしまったことがあります。先方の窓口の方は、幸い僕よりも2つ年上の若い方でしたので、「そういうのは気を付けた方がいいよ」程度の指摘で済みましたが、今思い出してもとても恥ずかしいです。
「取り急ぎ」を使用した例文集と言い換えのテクニック
では、まず「取り急ぎ」を使用した文例をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
・取り急ぎ、ご報告まで。
・取り急ぎ、ご案内まで。
・取り急ぎ、用件のみにて失礼いたします。
・取り急ぎ、お礼まで。
「取り急ぎ」は「まずは」に置き換えると丁寧な印象に
では、「取り急ぎ」を丁寧な印象になるよう、置き換えた例文をお伝えします。 ・まずは、ご報告まで。 ・まずは、用件のみにて失礼いたします。 ・まずは、お礼申し上げます。 「取り急ぎ」を「まずは」に変えただけですが、ぶしつけな印象が薄れていますよね。目上の人に急ぎ報告を入れたい場合などに、ぜひ「取り急ぎ」の代わりに活用してみてくださいね。ビジネスでは、こういったほんの些細な配慮が非常に重要なのです。
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「お礼まで」の意味と使い方
つづいては、「お礼まで」の意味と使い方を学びましょう。「お礼まで」は、手紙文の結びに用いる表現で、「色々と伝えるべきことはあるが、ひとまずお礼を伝えたところで締めくくります」という意味で使用します。現代では、メールでも多く見かける言い回しですよね。
「お礼まで」も目上の人には避けるべき
つづいては、「お礼まで」の意味と使い方を学びましょう。「お礼まで」は、手紙文の結びに用いる表現で、「色々と伝えるべきことはあるが、ひとまずお礼を伝えたところで締めくくります」という意味で使用します。現代では、メールでも多く見かける言い回しですよね。
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「お礼まで」の例文と言い換えのテクニック
・取り急ぎ、お礼まで。
・まずは、お礼まで。
・まずは、お礼かたがたご連絡まで
「お礼まで」はきちんと文章にすると◎
では、「お礼まで」を丁寧な印象になるように言い換えた場合の例文をお伝えします。 ・取り急ぎ、(メールにて)お礼申し上げます。 ・本来は直接伺ってお礼を申し上げるべきと存じますが、まずは、書面をもってお礼申し上げます。 ・まずは、取り急ぎ御礼申し上げますとともに、御社の益々のご発展をお祈りいたします。 「お礼まで」は、やはりそれだけよりも、前後に一文を加えたり、「申し上げます」という言葉に置き換えると、まったく印象が変わってきますよね。ほんの少しの手間で、これだけ印象が変わってくるならば、ぜひこのテクニックを活用すべきでしょう。
「お礼まで」を使ってしまった人の体験談
大学4年の就職活動中で、人事担当者とのメールで「お礼まで」という言葉を使ってしまったことがあります。その企業の選考は落ちてしまったのですが、後から思うともしかしたらあのメールが原因だったのかも・・・そう思うと今でもたまに後悔の念に苛まれます。
「取り急ぎ」「お礼まで」は言い換えのテクニックが重要
ビジネスシーンでは、「取り急ぎ」や「お礼まで」のほかにも、非常に便利な言葉が溢れています。たとえば、返事を濁したいときには、「前向きに検討します」や「善処させていただきます」、「各所と相談のうえ…」などが、多く使われます。ビジネスマン必須の言い回しとも言えそうですが、場合によっては、ウソっぽいなどと受けとられる可能性も十分あります。
また、社交辞令としてもっとも多いのが「今度、飲みに行きましょう」、「一度お食事をご一緒しましょう」でしょう。実際に日にちを提案しない飲み会などの口約束は、大概の場合果たされることはありませんよね。こういった些細な言い回しで、自らの信用度を下げてしまうのは、非常にもったいないことです。日頃から、言葉の意識は高く持っておくべきでしょう。
今回の「取り急ぎ」と「お礼まで」は、上記とは意味合いは異なりますが、場合によっては“不誠実”な印象を与えかねない「要注意ワード」であるという点では一致しています。
「取り急ぎ」や「お礼まで」は一言で簡単に伝えられますが、そのリスクを考えると、置き換えて使用するのがオススメです。たった一言置き換えたり、一文加えたりするだけで大きく印象がプラスに変わるため、ぜひ置き換えのテクニックを活用してみてください。
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