2016年11月29日(火) 更新
新卒一括採用の見直しが行われている理由
目次
新卒一括採用の見直しが検討されている
日本の新卒一括採用は一般的な採用方法です。卒業前の年次に就職活動を行い、企業は内定を出し、卒業後すぐに企業に就職する事になります。この新卒での採用ルート以外で例えば卒業後すぐに就職せずに、しばらくして就職しようとしても企業からその様な人材に対して門戸は開かれていないのです。戦後からずっとこの様な採用方法であったのですが、近年この新卒至上主義の見直しが検討されています。
新卒一括採用以外の採用枠が少ないため留年を選ぶ学生が多い
新卒一括採用以外の企業への採用枠が少ない日本においては、就職留年を選ぶ学生が数多く存在します。就職留年とは、大学は卒業できるけれども就職が決まらなかったので次の年も、卒業せずに就職が決まるまで留年する事を指します。就職留年を選ぶ学生は新卒一括採用により、卒業後に就職活動をすると企業の採用枠が少ないから不利に働く事から留年を選びます。近年この新卒の枠の見直しがなされ、「第二新卒」という卒業後しばらく経過した元学生に対しても採用の枠も徐々に増えてきます。
新卒一括採用の見直し理由は雇用の形が変わってきたから
なぜ、そもそも新卒一括採用が長年行われてきたのでしょうか。日本の企業においては終身雇用や年功序列という風に一度就職すれば定年まで一つの企業で働き続ける事を想定した雇用システムが維持されてきましたので、卒業したのに就職しない場合や、勤務先を頻繁に変えてキャリアアップを図っていくという文化は存在しませんでした。しかし、この様な制度の崩壊に伴い新卒一括採用の見直しがされる事になったのです。
就活の早期化に伴い学業への悪影響も指摘されている
新卒一括採用は、新卒で就職する人間にとってはデメリットが多い採用方法です。景気の変動によって企業の新卒採用者の枠が大幅に変わるので卒業年度によって個人の実力に関係なく就職が困難になる事はありますし、就職活動の早期化に伴い学業への悪影響も指摘されています。この様な観点から新卒一括採用の見直しをすべきだという声も上がっています。
国を挙げて新卒一括採用の見直しされつつある
2016年8月、第三次安倍内閣が発足し、世耕経産相大臣は大企業の採用方法として慣行となっている新卒一括採用の見直しを促したいという趣旨の発言を行いました。実は第一次安倍内閣においても労働ビッグバンという雇用改革が試みられ、新卒一括採用を見直そうとしました。この様に国を挙げて、新卒一括採用という方法の見直しが、されつつあるのです。
新卒一括採用以外の採用方法が拡大
新卒一括採用の見直しの動きは政府だけではなく、企業からもでてきています。第二新卒や既卒と言ったこれまで新卒の定義に入らなかった人材に対しても新卒と同じ様な採用枠での試験を行う企業もでてきました。今後、少子高齢化により労働人口が減少する事を考えれば、人材確保のために、ますます新卒一括採用以外の採用方法が拡大していくと考えられます。
就活の早期化による悪影響や雇用システムの変化により新卒一括採用の見直しが行われている
新卒一括採用の見直しが行われている理由について見ていきました。新卒一括採用は終身雇用や年功序列を元にした雇用システムの時代に雇用を維持するために用いられてきた採用方法です。しかし、終身雇用や年功序列の制度崩壊により雇用システムが変化した事に伴って、新卒一括採用は見なおされてきています。政府としても新卒一括採用の見直しをしようという動きはありますし、第二新卒や既卒と言った今までの新卒の枠では、積極的に採用できなかった人材についても、採用しようという動きをしている企業もあります。
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