2021年09月01日(水) 更新
【SPIと一般常識の問題】出題内容の違いと対策におすすめの問題集
この記事の監修者
キャリアアドバイザー
赤塩 勇太大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。
目次
SPIと一般常識は別物
SPIでは「言語」「非言語」の2つが出題される
SPIでは、「言語」と「非言語」の2つが出題されます。「言語」は、いわゆる「国語」のような内容で、漢字の読みや四文字熟語、敬語、同義語や反対語など暗記が必要な問題の他、文章の読解を求められる問題です。一方、「非言語」はいわゆる「算数」のような内容で、確率や食塩の濃度、仕事量や時速、電気の抵抗など、公式の理解と計算が必要とされる問題が多く出されます。それぞれ選択式となっており、用意された選択肢の中から正解を選ぶ方式です。言語・非言語合わせて70分間で70問程度出題されるため、スピードと正確さが求められます。また、文系の人は「非言語」が、理系の人は「言語」が苦手な傾向にあるため、それぞれテキストや問題集での対策が重要となっています。
一般常識では社会・時事問題の出題が多い
一般常識では「国語」「算数」「理科」「社会」「英語」の5科目と、文化・時事の問題が出されます。問題数としては、社会・時事問題からの出題が多いです。5科目では、例えば、「社会」でいうと「国民の三大義務とはなにか」といった憲法に関する問題、国語でいうと「坊っちゃんの作者はだれか」といった、主に教科書に載っているような問題が出題されます。一方、社会・時事問題では「現在のフランスの大統領は誰か」「次回のオリンピックが開催されるのはどこか」「2018年のワールドカップで優勝した国はどこか」等、新聞やニュースで得られるような知識が問われます。出題範囲が非常に広いため、対策用のテキストを使用すると、効率よく準備を行うことができます。
SPIと一般常識の最大の違いは出題科目
SPIと一般常識それぞれの特徴や対策について紹介しましたが、2つの試験の最大の違いは「出題科目」です。SPIは「国語・数学」の2科目で学力を判断しますが、一般常識は「主要5科目+文化+時事問題」という幅広い出題範囲から学力をチェックされます。
また、勉強の方法にも違いがあるのです。SPIは出題項目がパターン化されているので、反復練習を積むことが重要になりますが、一般常識は出題範囲が広い分、まんべんなく基礎的な知識を積まなければなりません。
別々の対策が必要
SPIと一般常識の最大の違いは出題科目です。SPIは基本的に「言語」と「非言語」の2科目のみです。科目は少ないですが、「言語」には文章の読解問題が入っていたり、「非言語」ではほとんどの問題で計算が必要とされる等、「解く力」が必要とされる問題が多数出題されます。そのため「解き方」を習得することが最も重要な対策となります。一方、一般常識では「国語」「算数」「理科」「社会」「英語」の5科目に加えて、文化・時事の問題が出題されます。科目が多く、範囲も非常に大きい代わりに、ほとんどの問題は「暗記」で対策をすることが可能です。逆に知っていなければ解けない問題ばかりなので、以下に効率よく暗記をするかという点が最も重要な対策となります。
SPIの対策方法
SPIの対策のポイントは、とにかく時間内に効率よく問題を解くことです。「言語」で約30分で30題、「非言語」で約40分で40題出題されるため、1問には1分程度しかかけられないようになっています。また、パソコンで受験をする場合、1問の制限時間や残り時間が画面に表示されるため、事前に時間に対するプレッシャーに強くなっておかないと本番で実力を出せずに終わってしまうことがあります。早く解くためには、とにかく問題に慣れることが重要です。幸い、出題される問題の傾向は決まっているため、「このような問題が出た場合はこのような解き方をすればよいのだ」ということが理解できていると、早いスピードで解くことができます。
問題集を繰り返し解く
SPIでもっとも効果がある対策は問題集を繰り返し解くことです。前の段落でも述べたとおり、SPIではある程度出題のパターンが決まっています。例えば、「言語」で言えば「『支配』の反対語はどれか」「『言う』の謙譲語はどれか」といった問題は毎回出題されています。また、「非言語」で言えば、「20パーセントの食塩水の中に、10パーンセントの食塩水を入れると何パーセントの食塩水ができるか」、「分速200mで歩いている人が出発した5分後に分速300mの人が追いつくのは何分後か」といった食塩水や速度の問題は同様のパターンで出題がされています。問題集を繰り返し解くことで、出題パターンが理解でき、解く速度が上がるので、本番でもテンポを落とさずに解きやすくなります。
模擬テストを時間通りに解く
問題集を解くのと同じくらい大切なのが、模擬テストを時間どおりに解くことです。問題集を繰り返し解くことで問題のパターンに慣れることができるのは非常に良いことです。しかし、それだけをやっていると、いざ新しい問題に対峙したときに混乱をしてしまい、問題集を解いていたときと同じスピードで解けないことがあります。模擬テストをやることで、「混乱して解けないときにはその問題は飛ばして解ける問題を先にやって落ち着こう」等、本番ならではの対策をすることができます。できればこのとき、目の前にストップウォッチと置いてやる、周りに人がいる状態でやる、など本番と近い状況で実施できると、本番の試験で緊張するのをやわらげることができます。
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一般常識の対策方法
一般常識の対策で一番効率的なのは、対策用のテキストを購入し、暗記を行うことです。一般常識の試験は暗記によって解ける問題がほとんどです。特に「国語」「数学」「理科」「社会」「英語」に関しては出題パターンが比較的決まっているため、テキストに書いてあることをしっかり暗記することで対策ができます。最近では、小型でバックで持ち運びしやすいものや、赤いシートで答えが消えるものなど工夫されたテキストがたくさんでていますので、それを繰り返し学習しておくと、暗記系の問題に関しては概ね対策が済みます。一方で「文化・時事問題」に関してはある程度出題傾向はあるものの、最新の内容で問題が出されるため、テキストに記載されていないこともしばしば出題されます。文化・時事問題については、この後別で対策の仕方を記載します。
新聞やテレビでニュースをチェックする
文化・時事問題については、一般常識の対策テキストだけではカバーできないことも多いです。何故なら、比較的新しい問題が出題されるため、テキストの出版に間に合わないことも多いからです。では、どのように対策したらいいのかというと、新聞やテレビでニュースをチェックするのが一番の近道です。特に「現在の政党や総理大臣、主に行っている施策」「今話題になっている国の大統領や首相」「大きな事件とそれに関する人の名前や国の名前」「スポーツで活躍した選手や国」「文化的な賞をとった人や作品、研究の名前」はよく出る範囲なので、特に注意して見ておくとよいでしょう。出題されそうな範囲のものについては、小さなノートに書き写し、移動中にチェックする、等するとより確実に覚えることができます。
数学の基礎をさらっておく
一般常識に出題される数学の問題は、SPIと似た問題も多いのですが、SPIよりは比較的シンプルな問題が多いです。公式を理解していれば簡単に解ける問題が多いので、一般常識のテキストで基本の公式を暗記しながら、いくつか例題を解いておくとより安心です。数学の場合、「暗記した」と思ってもいざ問題を前にすると解き方が分からなくなってしまう、ということがよく起きるため、必ず暗記するだけではなく、簡単なものでいいので問題は解いておくようにしてください。以下に出題例を記載します。
SPI・一般常識で出される問題の例
SPIと一般常識の違いについて紹介してきました。最後に、SPIと一般常識それぞれの問題例をピックアップしてご紹介します。SPIは非言語問題、一般常識は時事問題や英語などの例題です。他の問題は、問題集などを参考にしましょう。
SPIの問題例
①.定価1,200円の商品を30%引きで売ったところ、仕入れ値の60%の利益を得ました。仕入れ値はいくらでしょうか。
②.学校のグラウンド1㎡を濡らすのに必要な水道水の量は250mlです。720mlの水道水では5㎡の学校のグラウンドの何%を濡らすことができるでしょうか。
(必要に応じて、最後の答えの小数点以下第1位を四捨五入してください)
③.6で割ると2あまり、9で割ると5あまる正の整数のうち、最も小さい数は何でしょうか?
【正解】
①525円
②58%
③14
※過去問ではありません
一般常識の問題例
Q1.日本の研究所が発見した、113番目の元素名は何でしょうか。
①ニラニウム ②ニホネシウム ③ニホニウム ④ニホリウム
Q2.月末金曜日は15時で退社するという新たな取り組みは何でしょうか。
①スリーフライデー ②プレミアムフライデー
③スーパーフライデー ④アーリーフライデー
Q3.次の英語はそれぞれ日本語で何と訳されるでしょうか。
①backdoor negotiation ②business climate ③ox-walk tactic
【正解】
Q1.③
Q2.②
Q3.①水面下交渉 ②景気 ③牛歩戦術
※過去問ではありません
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おすすめの問題集
SPI:『これが本当のSPI3だ! 』
SPIにはテストセンターで受ける「テストセンター形式」その企業の用意した会場で受ける「ペーパーテスト形式」自宅で受ける「WEBテスティング形式」があります。前者2つは電卓使用が不可能、後者は可能など、形式によって特徴が違っています。自分の受ける企業がどの形式を使っているのかが分かればそれだけ対策すればいいのですが、それを事前に知ることはできません。これに対し、本テキストは、どのテスト形式にも対応できるように作られているのが特徴です。SPIの出題範囲はこの形式毎に違っているのですが、その出題範囲もわかりやすくまとまっています。また、解説ページが非常に多く丁寧なため、苦手な分野がある人にも解答の仕方が分かりやすいようになっています。
一般常識:『最新最強の一般常識』
このテキストは、一般常識で必要とされる「時事問題」と、主に「国語」「数学」「理科」「社会」「英語」の5教科から出題される「一般常識」の二部構成となっています。時事問題では、「政治」や「経済」「スポーツ」など、10分野からの情報がまとまっており、主要の出題範囲を広くカバーしています。また、一般常識では、前述の5教科より頻出の問題が網羅されています。出題されている問題は実際の問題に近い内容となっており、同ページに解答・解説もついています。別冊で直前にチェックすることのできる重要ポイントがまとまっていたり、赤いシートがついていて暗記したい時には答えが隠れるようになっている等、非常に使い勝手のよい仕様になっています。
SPIと一般常識の違いは科目数と出題範囲の広さ
SPIと一般常識の最大の違いは、科目数と出題範囲です。SPIは、国語の問題が中心の「言語」と数学問題が中心の「非言語」の2科目で構成されており、出題範囲も解答形式に合わせて決まっています。
一方、一般常識問題は「国語・数学・社会・理科・英語」の5科目に加え、「文化」や「時事問題」など、幅広い知識と教養が求められるのが特徴です。そのため、SPIは反復練習で対応できますが、一般常識はバランスよく幅広い範囲を勉強したり、ニュースをチェックしたりしなければなりません。それぞれの出題内容の違いを踏まえて、就職試験の勉強をしていきましょう。
キャリアアドバイザー|赤塩 勇太
Twitterなど受動的に情報収集できる環境を整備する
一般常識は、SPIと比べると反復練習などによる効果がすぐ出るものではありません。日頃からニュースを見るだけでなく、Twitterなどでニュース系のアカウントをフォローしておき、「受動的な環境においても情報収集できる」環境構築を進めることが効率的です。
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