2019年11月20日(水) 更新
志望動機と自己PRの違いとは?選考書類の書き方のポイント
目次
志望動機と自己PRがかぶるのは問題ない?
履歴書やエントリーシートには、志望動機や自己PRを書く欄が設けられています。いざ書き上げて見てみると、「あれ?志望動機と自己PRがほとんど同じ内容になっちゃってる……」なんて経験がある人も多いのではないでしょうか。 そこで気になるのが、志望動機と自己PRはかぶっても問題ないのか、という点です。これらふたつには違いはないのでしょうか?
志望動機と自己PRには決定的な違いがある!
結論からいうと、志望動機と自己PRには決定的な違いがあります。この違いを理解しないまま履歴書を作成してしまうと、採用担当者に評価されない印象の薄いものが出来上がってしまいます。 そうならないためにも、これらふたつの違いをしっかりと把握しておきましょう。以下で志望動機と自己PRについて詳しく見ていきます。
志望動機は「どのような目的で・なぜ入社したいのか」を述べる
志望動機と自己PRは一見似ていますが、はっきりとした違いがあります。それは、志望動機は「どのような目的で・なぜ入社したいのか」を伝えるものであることです。 「なんでこの会社を受けたのか」がはっきりしないと、採用担当者の印象には残りにくいでしょう。ですので、志望動機を作成する際は上記の2点を意識して作成して下さい。
「入社したい!」という熱意を伝えよう
採用担当者として一番避けたいのは、「とりあえず面接だけは受けてみました」という熱意のないタイプです。 志望動機は決まった文章がないだけに、人柄が出やすい部分でもあります。ですので、採用担当者に熱意が伝わりやすい書き方を心がけましょう。熱意のある志望動機が作成できれば、それだけで周りの就活生に差をつけることができるはずです。入社したいという熱意を、目的や具体的なエピソードなどを添えて志望動機を作成しましょう。
どの業種にも当てはまる志望動機はNG!
志望動機を作成する際には、「自己PRとかぶらないように」と意識するのは大切ですが、それとは別に注意点があります。それは「どの業種にも当てはまるものにしない」というものです。 どの業種や、業界にでも当てはまる志望動機の書き方では、採用担当者に熱意は伝わりません。志望する会社の業種や業界に合っており、かつ分かりやすく具体的な志望動機を考えましょう。
自己PRは「持っているスキル」をアピールする
上記では「志望動機」の特徴や作成する際のコツについて見ていきました。では、自己PRにはどのような特徴があるのでしょうか?
志望動機は「入社目的や志望した理由」について述べるものでしたが、自己PRは「持っているスキル」をアピールするものです。「自分はこういう人間なので、是非採用して下さい!」といった内容にするよう心がけて下さい。
「スキルや経験をどう活かすか」を述べる
ただ自分の持っているスキルや経験をダラダラと書き連ねていても、それは良い自己PRにはなりません。それらを「どう仕事に活かすのか」を述べましょう。 「自分はタイピングが得意です」とだけ伝えるよりも、「自分はタイピングが得意なので、事務処理は人一倍速くできます」としたほうが、より魅力的な人材に見えますよね。自己PRですから、少しでも自分をよく見てもらえるようにアピールしましょう。
具体的なエピソードを交えると良い!
会社の仕事は短期間で終わるものではなく、長期間の積み重ねで成り立つケースが多いです。 自己PRでは、「壁に当たってもへこたれずに前に進んだ」という、長期間の経験をアピールする書き方が好印象になるでしょう。アピールポイントをただ羅列するのではなく、具体的なエピソードを交える書き方がよいですね。あいまいな書き方の自己PRでは、何をアピールしたいのかが採用担当者に伝わりません。 ただし、長々と自慢する自己PRではかえって印象が悪くなるので、自己PRの読みやすさや構成をよく考えましょう。
志望動機と自己PRが苦手人に共通している特徴
志望動機と自己PRそれぞれの特徴や作成のコツについて見ていきました。以上のことは、志望動機と自己PRを作成する上で必ず頭に入れておかなければならないことです。しかし、中には「それはわかっているけど、どうしても苦手だ……」という人もいるでしょう。 以下で、志望動機と自己PRの作成が苦手な人が読むべきその原因や対処法などについて見ていきましょう。
①:自己分析を怠っている
志望動機と自己PRの両方に欠かせないのが自己分析です。自分のことを深く理解していないと、採用担当者には魅力的にアピールできませんよね。「自分のことは自分が一番わかっている」と思いがちですが、自分では気がついていないようなこともたくさんあります。 ですので、自分ひとりだけで自己分析を完結させるのではなく、両親や友人など親しい人物に色々聞いたり、自己分析シートなどを活用したりして充実させて下さい。 そうすれば、誰よりも自分のことに詳しくなり、より魅力的な志望動機・自己PRを作成できます。
適職診断もできる自己分析マニュアル
自分にどんな職が向いているか考える際にやっておきたいのが、自己分析です。でもいざ始めようと思っても、何を参考にすればいいのか解らず、すぐに行動に移せないことがあります。そこでおすすめなのが「自己分析マニュアル」です。このマニュアルを使えば、質問に答えるだけで自分のパーソナリティタイプが診断できます。技術者タイプやクリエータータイプ、実務家タイプなどがありますが、あなたはどのタイプでしょうか?無料でダウンロードできるため、すでに自己分析が終わっているけどさらに深めたいという就活生にもおすすめです。
②:企業研究が完ぺきではない
自己分析で自分のことを完ぺきに理解できたら、次は企業についてです。就活において自己分析と同様に欠かせないのが企業研究でしょう。企業がどういった事業を展開しているのか、欲している人材、社長の考えなど、企業研究ではそういった情報を漏れなくチェックしましょう。 これらをしっかり確認できていないと的はずれな志望動機や自己PRになってしまい、採用からは遠ざかってしまいます。業界研究・企業研究は自信を持って「完璧です」といえるほどにしておきましょう。
③:どの企業に対しても同じ内容
志望動機と自己PRを作成する上で陥りがちなのが、「どの企業に対しても同じ内容で提出している」というケースです。2つの同じ業界の企業に志望する場合であっても、「なぜその企業なのか」を説明できていない志望動機ではいけません。企業が違えばアピールすべきポイントも変わりますから、同じ内容の自己PRにもならないはずです。 多くの企業を受ける場合はつい志望動機や自己PRを使いまわしたくなりますが、本当に内定をもらいたいのであれば、その企業に合った志望動機・自己PRをその都度作成しましょう。
④:話につながりがない
志望動機や自己PRを作成する際に、自分の過去のエピソードなどを用いてアピールするのは非常に有効な手法です。しかし、それらの話しにまとまりがない場合、自分のアピールしたい内容がうまく伝わらずマイナス効果になってしまうでしょう。 そうならないためにも、志望動機や自己PRを作成する際は論理的に「話のつながり」を意識して下さい。
企業の待遇などを志望動機にしてしまっている
志望動機を作成するとき、企業の待遇などを理由に挙げてしまってはいませんか?それは決して良い志望動機とはいえませんし、企業からの印象も良くはないでしょう。どんなに待遇が良い企業であっても、それを志望動機にするのは控えて下さい。 「うちの会社より待遇が良い企業があったらすぐ辞めてしまうのか?」と思われても仕方ありません。確かに企業選びにおいて重要なポイントではありますが、それを正直に志望動機にするのは止めておきましょう。
志望動機と自己PRが一緒になってしまう際はどうすればいい?
志望動機と自己PRが一緒になってしまう時には、どうすれば良いのでしょうか?多くの就活生が苦しめられるこの問題は、あるコツを掴めば克服できるでしょう。以下で、志望動機と自己PRを書き分ける重要なポイントをご紹介します。
志望動機は自分目線・自己PRは企業目線で作成する
それでは、「志望動機と自己PRが同じになってしまう」という人は、以下のポイントを意識してみて下さい。
志望動機と自己PRの企業目線の違い
■志望動機→自分目線
■自己PR→企業目線
志望動機は自分目線、つまり「自分はこんな目的・理由で御社を志望します」といった、自分の思いを主体にして作成しましょう。 逆に自己PRは企業目線、つまり「御社にとって私はこんなに役立ちますよ」と伝えるために作成して下さい。自己PRまで自分主体にして作ってしまうと、ひとりよがりなものが出来上がってしまいます。 志望動機と自己PRが同じ内容になってしまうという人は、以上の2点を特に意識して作成してみて下さい。
就職エージェントを活用するのもひとつの手
「どうしても志望動機と自己PRが上手くできない」「これが良い内容なのか不安」という人は、就職エージェントを活用するのもひとつの手です。就職エージェントはその道のプロですから、履歴書やエントリーシートをより良いものにするための大きな手助けになるでしょう。 履歴書だけではなく、面接なども見てもらえますので、内定獲得に大きく近づくことができます。
面接官の印象に残る志望動機・自己PRの例文一覧
飲料メーカーを志望する就活生の志望動機
私が飲料メーカーを志望した理由は、人間の生活とは切っても切り離せない「食」を通じて多くの人に幸せを提供したいと考えているからです。中でも貴社を志望した理由は、世界を視野に入れた食品企業として多くの人に幸せを提供できるという環境と、「新たな領域に挑戦し続ける」姿勢です。
今ある商品によって多くの人を笑顔にするのはもちろん、自分が考える商品が貴社のトップブランドで売り出されることを考えると、貴社で働くことこそが自分の目標を達成できる一番の方法だと考えました。以上のような理由で、私は貴社を志望いたします。
旅行業界を志望する就活生の志望動機・自己PR
私が旅行業界を志望した理由は「多くの人と関わりたい」という気持ちと「自分のスキルをフルに活かして仕事をしたい」と考えているからです。
学生時代に飲食店でアルバイトしていた時、自分の「おもてなし」によって他人を笑顔にすることが、自分の生きがいだと感じるほどに嬉しく思いました。「より多くの人と関わっておもてなしができる仕事は何なのか」と考えた時、真っ先に思い浮かんだのが旅行業界でした。国内だけでなく世界を視野に入れて仕事ができる環境は、自分にとって最高なものになると確信しています。
また、旅行業界であれば自分がアメリカへ語学留学した経験を最大限活かせると考えています。留学では、日本とアメリカの文化の違いを強く感じました。しかし、その経験は実際に現地で生活しないとわからないものです。私は留学によって「語学力」以外の財産も手に入れられたと思っています。近年の訪日外国人旅行客の増加を受け、今後は業界のグローバル化とインバウンド事業のさらなる発展が期待されています。
自分のスキル・経験を活かせば、そのような事業の中で最前線で活躍できると考えております。以上の理由で、私は旅行業界を志望いたします。
志望動機と自己PRを同じ欄に書く際の注意点
履歴書やエントリーシートのフォーマットによっては、志望動機を書く欄しか設けられていない場合やその逆のケースがあります。 志望動機と自己PRを書きたい時に、同じ欄に書いても良いのでしょうか?また、その際の注意点なども気になりますよね。以下で詳しくチェックしていきましょう。
①:要点だけをきれいまとめる
同じ欄に書くのですから、文章の量は比較的多くなってしまうでしょう。具体的なエピソードを添えるのも大切ですが、それでは本当に伝えたい内容が埋もれてしまうかもしれません。ですので、同じ欄にふたつの内容を盛り込むときは、要点だけをきれいにまとめましょう。 十分に書く欄があるのなら具体的なエピソードなどを盛り込むのもいいですが、そうでない場合は「何を伝えたいのか」を意識して作成すると良いです。
②:一貫性のあるものにする
志望動機と自己PRのふたつを同じ欄に書くときは“一貫性”を意識しましょう。志望動機では「お客様の笑顔が見たい」と書いて、自己PRで「体力に自信がある」と書いてもあまりつながりを感じられません。 志望動機と自己PRに一貫性があり、連動性を感じられるような内容にすれば説得力が増し、採用担当者の印象にも残りやすいでしょう。
③:欄からはみ出さないようにする
志望動機と自己PRを同じ欄に書くときは、「欄からはみ出さないように」というのを大前提にして下さい。欄からはみ出してしまうと見栄えが悪くなってしまいます。それだと、履歴書の第一印象は良いものにはならないでしょう。 文章量を考え、欄からはみ出さないように志望動機と自己PRを書き上げてください。
志望動機は入社への熱意・自己PRは貢献度を示すもの!違いと書き方を理解しよう
ここでは、志望動機と自己PRの違いとは?選考書類の書き方のポイントと題して、志望動機と自己PRの違い、それぞれの書き方のポイントについて説明しました。
志望動機や自己PRは似ているので、混ざってしまうことが多いです。混ざってしまうと採用担当者が分かりにくくなってしまいますし、面接で聞かれたときにも答えに詰まってしまうでしょう。スムーズに答えられるように区別して記入し、記憶しておいてください。
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