2024年08月19日(月) 更新

理由別例文5選|地方銀行の志望動機で目を引く4つの極意と作成法

地方銀行の志望動機はメガバンクでは味わえない魅力を伝えることが大切

就活で地方銀行を志望しようと考えている人もいますよね。なかにはメガバンクを中心に選考を進めようとしていたものの、地方銀行にも魅力を感じた人もいるでしょう。

地方銀行を志望する場合は、志望動機を伝える際に、メガバンクではなくなぜ地方銀行なのかをしっかりと伝えることが大切です。

そこでこの記事では、地方銀行を志望しようとしている人に向けて、地方銀行の志望動機を魅力的にみせるためのポイントや作り方、例文などを紹介します。地方銀行の志望動機で、ほかの学生と差を付けるためにも、この記事を参考にしてください。

そもそも地方銀行とは? 基礎知識を押さえよう

地方銀行とは、特定の地域に密着した営業基盤を持っており、その地域の企業や人々の生活を支えている銀行を指します。

このように、地方銀行は地域密着型の銀行であることから、抱えている問題や対策はメガバンクとは異なるため、地方銀行ならではの特徴を事前に把握しておくことが大切です。

そこでここでは、地方銀行の基礎知識について解説するので、しっかりと確認しておきましょう。

地方銀行について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

銀行の職種について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

種類:第一地方銀行と第二地方銀行の2つに分かれる

銀行には、都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合などがありますが、このなかでも地方銀行は、さらに「第一地方銀行」と「第二地方銀行」の2つに分かれます。そして両者は、設立までの経緯で区別されています

採用担当者からすると、応募者はこの基礎知識を認識していると感じているため、知っておかないと、入社意欲のない応募者だと思われてしまうかもしれませんよ。

そのため、すべての地方銀行を「地方銀行」と一括りにまとめず、志望銀行はどちらの地方銀行に分類されるのかを確認するためにも、どのような歴史があるのかを確認しておきましょう。

第一地方銀行:戦前から銀行業務をおこなってきた銀行

第一地方銀行は、戦前から銀行として企業や人々のお金を管理してきた銀行を指します。

おもな第一地方銀行は、以下のとおりです。

第一地方銀行の例

第一地方銀行と呼ばれるすべての銀行は、「全国地方銀行協会」に加盟しています。「全国地方銀行協会」は、日本の経済成長に貢献することを目的とした一般社団法人で、決済インフラの運営や銀行取引の適正性の確保、消費者保護といった活動をしています。

また、財務省によると、2024年7月1日時点での全国にある地方銀行の社数は57行でした。

第二地方銀行:相互銀行から転換した銀行

一方で第二地方銀行は、相互銀行から切り替えた銀行を指します。

相互銀行とは、おもに中小企業向けの金融機関として、1951年に制定された相互銀行法にもとづいて設立された銀行です。

おもな第二地方銀行は、以下のとおりです。

同じく財務省によると、2024年7月1日時点での第二地方銀行の数は、34行でした。

また、相互銀行は1989〜1992年にかけてすべて普通銀行に転換しており、現在は相互銀行と呼ばれる銀行はありません。

課題:地方の人口や企業の減少による利益低下

地方銀行は、地域密着型の銀行であることから、営業範囲が限られています。そのため、管轄地域の人口や企業数の減少が利益の低下に直結するのです

特に、昨今では日本全体の人口減少や少子高齢化などにより、地方の若者離れから、地方企業の後継者不足が深刻化している地域も多いでしょう。

このように今の日本では、地方銀行の重要な顧客といえる地方企業の衰退により、利益を生み出せる融資の機会が減ってしまい、利益低下につながっているのです。

現状:新ビジネスを展開している

地方の人口や企業の減少による利益低下を受け、地方銀行のなかには新しいビジネスを展開し、利益の回復を試みている企業もあります。

新ビジネスを展開している地方銀行の例は、次のとおりです。

このように、地方銀行のなかには、銀行業での利益減少を補うために金融業以外のビジネスに力を入れている企業もあるのです

そのため、地方銀行を志望する際は、その企業の銀行業だけに着目するのではなく、ほかにどのような事業を展開しているのかまで調べておくと、これまでに気付けなかった魅力を見つけられるかもしれませんよ。

メガバンクとの違いから動機を見つける! 地方銀行ならではの4つの特徴

銀行を志望する学生のなかには、全国的に名の知れているメガバンクに魅力を感じる人もいれば、特定の地方に特化している地方銀行に魅力を感じる人もいますよね。

そこで地方銀行の採用担当者は、なぜ名の知れているメガバンクではなく、地方銀行である自社を志望したのかを、知りたいと考えています。

ここでは、地方銀行ならではの特徴を4つ紹介するので、地方銀行だからこそ志望したと胸を張っていえるような志望動機を作るための参考にしてください。

①本店のある都道府県や隣県をメインに営業している

メガバンクは全国各地に営業範囲を広げ、顧客である人や企業に営業しています。一方、地方銀行の場合は、本店のある都道府県や隣県への営業活動がメインです。

地域密着型という特徴を生かして、地域の住民や企業が参加できるイベントを開催しているのも特徴の一つですよ。「全国銀行協会」によると、地方銀行は次のようなイベントを開催していました。

地方銀行が開催しているイベント例

・ クイズ選手権(愛知銀行、青森銀行など)
・金融機関見学(阿波銀行)
・子どもアドベンチャー体験(神奈川銀行)
・職業体験(京葉銀行)

このように地方銀行は、地域の人々が参加するイベントなどを通じて、地域の住民や企業とのつながりを持ちつつ、自社を利用してもらえるような営業活動を展開しているのです。

②地元の中小企業や大手企業がおもな取引先になる

メガバンクは大きな資産を持っていることや、全国を対象に金融業を展開していることから、日本全国の中小企業から、日本を代表する大手上場企業など豊富な取引先を抱えています。

一方で、地方銀行はメガバンクほど資産規模が大きくないことや、営業範囲が本店のある都道府県周辺であることから、地元にある中小企業や大手企業がおもな顧客です。そのため、メガバンクよりも顧客一人ひとりに寄り添った提案ができます

地元の中小企業や大手企業を銀行業を通じてサポートすることで、地域全体の経済活動の発展に貢献できることがメガバンクにはない地方銀行の魅力だといえるでしょう。

③地元エリアを中心に支店を展開している

地方銀行は特定の地域を対象に事業を展開していることから、その地域を中心に支店を展開しています。一方メガバンクであれば、全国規模で支店を持っているほか、海外まで営業範囲を広げている銀行もあります。

そのため、メガバンクでは国外への転勤も視野に入れる必要があるのに対し、地方銀行であれば近隣地域間での転勤に限られるため、住宅購入や子育てといったライフプランを立てやすいです

また、支店数もメガバンクより少ないため、支店間でのつながりも強く、支店同士で協力して営業活動を進めている銀行もありますよ。

④地域密着型で集中して仕事をこなせる

地方銀行の顧客はその地域の人々や企業であることから、顧客一人ひとりが顔なじみになるなど、一人ひとりに寄り添ったサポートができます。

一方メガバンクの場合、全国規模での顧客を抱えていることから、多くの顧客に対応することになるほか、地域に特化した活動は少ないでしょう。

また、地方銀行の場合、地元企業の発展が自社の利益向上につながることから、地域の中小企業向けに「スタートアップ支援」や「事業計画策定支援」などを実施している場合もあります

そのため、特定の地域に密着し、顧客一人ひとりに対してしっかりとサポートしていきたい人には、地方銀行の仕事を魅力的に感じられるでしょう。

就活生に聞いた! 地方銀行を志望した理由

地方銀行の志望理由は、人それぞれ異なります。

どのような点に魅力を感じて地方銀行を志望したのかを知りたい場合は、ほかの学生の考え方を参考にすることで、自分では気付けなかった地方銀行の魅力を見つけられる可能性もあるでしょう。

そこで、学生の皆さんに地方銀行を志望した理由を質問してみました。

お金や地もとにかかわる仕事をしたかったからという回答が多数

アンケートの回答には、お金や地元にかかわる仕事をしたかったからという回答が多くみられました。

  • お金にかかわりたかった(法学部4年)
  • 地元のつながりに重きをおいている点(法学部3年)

たしかに、地方銀行であれば、銀行業としてお金にかかわる仕事ができるほか、特定の地域を固定して日々の業務に取り組めます。このことから、これまで学んできたお金についての知識を活かしたい人や、愛着のある地元に貢献したい人は、地方銀行を魅力に感じるでしょう。

このように業務内容や地域密着型の営業スタイルに魅力を感じている人は、より具体的な地方銀行の魅力について話せるようになっておくと選考通過率も高められますよ。

給料という回答も

アンケートの回答には、給料という回答もみられました。


  • 給料(地域政策学部3年)

たしかに、働くうえで待遇面は大切です。しかし、地方銀行の志望動機を考える際は、待遇面以外の志望動機も考えておかないと、選考を突破できない可能性があるため注意しましょう。

志望動機で押し出す! 地方銀行が求める人物像5選

地方銀行の志望動機を考える際は、地方銀行がどのような人を求めているのかを把握したうえで内容を考えることが大切です。そうすることで、採用担当者に響く志望動機を作成できますよ。

ここでは、地方銀行が求める人物像を5つ紹介するので、自分自身のスキルや性格にあった人物像があれば、志望動機の軸として参考にしてみてください。

①その地域に魅力を感じている人

地方銀行の採用担当者は、自社の営業範囲である地域に対して、何かしらの魅力を感じているかを確認しています。

なぜなら、地方銀行で仕事をする場合、特定の地域内で仕事に取り組むことになるため、その地域に貢献したい、と考える気持ちが仕事をするうえでのモチベーションにつながるからです

地域に貢献したいと思えるような例は、次のとおりです。

地域に貢献したいと思えるような例

・その地域が生まれ育った場所であり、今までの恩返しをしたい
・その地域の歴史や文化に興味を持っていて、何度も観光に訪れたことがある

このように地方銀行の採用担当者に対して、その地域に魅力を感じて貢献したいと思っていることを志望動機で伝えると、入社後に長期的に活躍してくれる人材だと思ってもらえますよ。

②地域住民との信頼関係が築ける人

地方銀行で活躍するためには、その地域の住民と信頼関係を築くことが必要不可欠です。なぜなら、地域住民から信頼されなければ、自社サービスを提案しても利用してもらえない可能性が高いからです。

そのため、地方銀行の採用担当者は、地域住民との信頼関係を築けるコミュニケーション能力があるかを見極めています。

地域住民との関係値が必要である理由は、以下のとおりです。

地域住民との関係値が必要である理由

・自社サービスを信用して使ってもらえるから
・金融商品を購入する際に自社に相談しに来てくれるから
・競合他社から自社に切り替えてくれる可能性があるから

また、地域住民とのつながりを持つためには、コミュニケーション能力だけでなく、その地域のイベントやお祭りにも積極的に参加できる行動力が求められる場合もあるでしょう。

したがって、地方銀行の選考を受ける際は、コミュニケーション能力はもちろんこと、仕事やプライベートにおいても地元住民との良好な関係を築くための積極性もアピールすると良いですよ

③金融業界に興味がある人

地方銀行といっても、仕事内容はメガバンクとほとんど変わりません。そのため、根本的な銀行で働く意欲を判断するために、金融業界に興味があるかも採用担当者は確認しています。

地方銀行のおもな業務内容は、以下のとおりです。

地方銀行のおもな業務内容

・預金・個人ローン
・企業への融資
・企業コンサルティング
・為替業務
・保険業務

たとえば、金融業界に興味を持っていて、金融に役立つ「 ファイナンシャル・プランナー」などの資格を保有していたり、経済ニュースを確認して金融業界の動向を把握していたりすると、採用担当者は銀行で働く意欲があると判断できますよね。

金融業界に興味を持っている人は、入社後の銀行業務に前向きに取り組んでくれることが想定できるため、銀行の採用選考では金融業界への興味関心が大切な要素なのです

金融業界について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

④細かなことを気にできる人

銀行は、お金を取り扱う仕事であるため、1円単位の紛失や、一つの数字のミスが大きな問題になります。そのため、些細なことに気が付いたり、一つひとつの作業を丁寧にこなせたりといった細かなことを気にできる人は、地方銀行が魅力的に感じる人物だといえます。

したがって、細かいことを気にかけたことで失敗やミスを未然に防げた経験など志望動機のエピソードとして盛り込むと、入社後の業務を的確かつ迅速に対応してくれる人材だと判断してくれるでしょう

また、顧客対応においても些細なことに気をかけられると、顧客から信頼されやすいため、顧客との信頼関係構築にも役立つスキルだといえますね。

⑤行動力がある人

前述したとおり、地方銀行のなかには、少子高齢化や人口減少などを背景に、金融事業で苦戦している銀行もあります。そのため、地方銀行のなかには金融業界以外の新しいビジネス展開に力を入れている銀行もあるのです。

そして、このような地方銀行が求める人材は、行動力がある人です。

銀行はどちらかというと、与えられた業務を正確にこなせる保守的な人材が求められやすい傾向にあります。したがって、新しいビジネスを展開していこうと考えている企業は、会社に新しい風を吹かせてくれる行動力のある若い世代を求めているのです

あなたが志望する地方銀行が新ビジネスの展開に力を入れていることを把握できたら、自分自身の行動力を志望動機とからめて話すと、採用担当者の印象に残りやすい内容になりますよ。

自己PRの行動力について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

人事をうならせる! 地方銀行の志望動機で説得力が増す4つのポイント

地方銀行の志望動機を伝える際は説得力を意識することで、採用担当者に入社意欲をアピールできます。そうすることで、ほかの学生よりも採用担当者の記憶に残りやすく、その後の選考を有利に進められますよ。

そこでここでは、地方銀行の志望動機で説得力が増す4つのポイントを紹介するので、志望動機を考える際はこれらのポイントを意識してみてください。

①その地域の特色と絡めて伝える

財務省によると、2024年7月1日時点で全国にある第一地方銀行は57行、第二地方銀行は34行です。そのため、地方銀行のなかで、なぜその地域の銀行を志望したのかを伝えられるようにしておくことが求められます。

各地域にはさまざまな特色があるため、自分自身が志望する地域の特色を事前に調べておきましょう。

地方地域には、次のような特色があります。

地方地域の特色例

・地域資源を活かした漁業や農業に力を入れている
・多様な子育て支援を展開している
・環境にやさしい島づくりを目指している
・地域コミュニティの活性化を目指している

たとえば、動物や自然が好きなのであれば、生き物や自然環境を大切にしている地域の特色と絡めて志望動機をアピールできますよね。

このように地域の特色を調べてみて、自分自身の志望動機につなげられる要素があるかを確認してみましょう

②メガバンクではなく地方銀行にした理由を明確にする

メガバンクと地方銀行では業務内容に大差はなくても、対応する顧客層や営業範囲などに違いがあります。そのため、なぜメガバンクではなく地方銀行を志望したのかを、それぞれの違いとともに、明確に伝えられるようにしておきましょう。

メガバンクと地方銀行の違いは、以下のとおりです。

地方銀行は地域密着型であるため、国内外に顧客を持つメガバンクよりも対応する顧客数が少ないといえます。そのため、顧客一人ひとりにしっかりと対応できることなどが地方銀行ならではの魅力だといえますよね

③その銀行ならではの強み明確にする

地方銀行各社は、取り組んでいる事業内容や、力を入れていることなどの特徴が異なります。そのため、採用担当者は、地方銀行のなかでもなぜ自社を選んだのかを知りたいと考えますよ。

このことから、地方銀行の志望動機の説得力を高めるためにも、志望する銀行ならではの強みを明確にし、志望動機に盛り込めるようにしておきましょう

たとえば、地方銀行には、次のような強みがあります。

地方銀行の強み例

・クラウドファンディングを活用して自社の成長戦略に力を入れている
・その地域で起業を目指している人に対して手厚いサポートを実施している
・新産業や成長産業の開拓・支援をおこなっている
・デジタル分野に積極的に投資している

このように各地方銀行が力を入れていることは多岐にわたるため、どのようなことに力を入れて取り組んでいるのかを調べ、他社にはない強みを探してみてください。

企業研究について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

④第二地方銀行と第一地方銀行の違いを話せるようにしておく

採用担当者のなかには、業界研究・企業研究がしっかりとできているのかを確認するために、自社の歴史について質問をして確認している人もいるでしょう。

そのため、最低でも志望銀行が第二地方銀行なのか、第一地方銀行なのかだけでも把握しておき、それぞれの違いについて話せるようにしておくことが大切ですよ

前述したとおり、第一地方銀行は、戦前から銀行業を営んでいる歴史のある銀行である一方、第二地方銀行は戦後に設立された相互銀行から転換した銀行を指します。

これらの違いが答えられないと、その地域や志望銀行の良さを伝えたとしても、企業研究が不足していると感じ取られ、志望意欲が低い応募者だと思われてしまうかもしれません。

就活生に聞いた! 地方銀行の志望動機を考える際に工夫したこと

地方銀行の志望動機を考える際に、どのような点に工夫したほうが良いかを知りたい場合は、ほかの学生が工夫していることを参考にすることで、自分では気付けなかった工夫方法を見つけられる可能性もあるでしょう。

そこで、学生の皆さんに地方銀行の志望動機を考える際に工夫したことについて質問してみました。

地域と絡めてアピールしたという回答が多数

アンケートの回答には、地域と絡めてアピールしたという回答が多くみられました。

  • 地域との近さをアピールした(法学部4年)
  • 地域にとって自分がどのような存在になりたいかを明確に伝える(地域政策学部3年)

地方銀行がメガバンクと違う点は、地域密着型の銀行であるかです。そのため、学生のなかには、地方銀行がある地域と絡めてアピールすることを志望動機で工夫したと回答した人もいました

たしかに、その地域に愛着を持っていたり、どのようなことをその地域で成し遂げたいのか明確であったりする場合、これらの要素を志望動機に盛り込むことで、採用担当者の印象に残りやすくなるといえますね。

ほかの銀行と差別化できることを伝えたという回答も

アンケートの回答には、ほかの銀行と差別化できることを伝えたという回答もみられました。

  • ほかの銀行とは差別化できる特色や自身が魅かれたとこに詳しいかなど(法学部3年)

地方銀行だけでも全国に多くの銀行があります。そのため、志望する地方銀行ならではの志望動機でなければ、採用担当者の印象には残りにくいでしょう。

このことから、学生のなかには、ほかの銀行との違いを明確にし、志望する地方銀行の特色や魅力についてアピールすることを工夫した人もいました

たしかに、地方銀行ならではの取り組みなどをテーマにした志望動機であれば、企業研究がしっかりできている入社意欲のある応募者だと、採用担当者は感じられますよね。

志望企業ならではの内容に! 魅力的な地方銀行の志望動機にする3ステップ作成法

地方銀行の志望動機を考える際のポイントなどを理解したところで、具体的にどのように志望動機を作成すれば良いのか、疑問を感じた人もいますよね。

そこで、ここでは地方銀行の志望動機を魅力的に作るための方法を3ステップで紹介します。志望企業ならではの志望動機にするためにも、しっかりと確認しておきましょう。

ステップ①志望する地方銀行やその地域の魅力や特徴を探す

前述したとおり、地方銀行の志望動機に盛り込むべき重要な要素は、志望する地方銀行とその地域ならではの魅力や特徴です。

そのためにも、志望動機を考える際は、志望動機の軸となるこれらの要素から探しましょう。そして、銀行や地域の特徴を探す際は、会社説明会やインターンシップに参加したり、実際にその地域の観光名所を訪れたりなどの方法があります

ここでは、志望する地方銀行やその地域の魅力を探す方法を3つ紹介するので、就活の進捗状況などを確認しながら、地方銀行の志望動機を提出するまでにできることを探してみてください。

インターンシップに参加して仕事を通じて地元とのかかわりを体験する

インターンには、Webと対面の2パターンがあります。このなかでも対面のインターンであれば、実際に地方銀行を訪れて仕事をすることができるため、仕事を通じてその地域の人たちとどのようにかかわれるのかを体験できます。

たとえば、その地域の中小企業との商談や打合せに同行させてもらえれば、地方企業がどのような経営課題やニーズを抱えているのか直接聞くことができますよね。そして、その経営課題やニーズに対して、その地方銀行はどのようにアプローチしているのかを知ることで、その銀行の魅力も感じられるでしょう。

また、窓口業務を体験して地域住民の人柄などを知れると、その地域における仕事のやりがいを見つけられるかもしれません。

このように、インターンで実際に企業の仕事に携わることで、その地域の企業や人々と触れ合えることで、自分だけの志望動機に仕上げられる要素を見つけられるのです。

インターンについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

地域の観光名所に訪れて特色や歴史を肌で感じる

志望する地方銀行の地域を訪れた経験がない場合は、一度現地の観光名所などを訪れてみてください。そうすることで、志望動機に盛り込むその地域の魅力を見つけられるとともに、志望動機に説得力が生まれますよ。

たとえば、志望動機に地域の魅力を書いていても、実際に訪れた経験がない場合は、信ぴょう性に欠けてしまいますよね。そのため、実際に訪れて肌で感じたことを伝えることが大切なのです。

地域の観光名所や特色のおもな例は、次のとおりです。

地域の観光名所や特色のおもな例

・歴史的建造物
・遺跡
・地域の特産品
・地域コミュニティ

これらの要素から自分自身が魅力的に感じられることを見つけ出し、地方銀行の仕事と絡めつつ、貢献したいと思える理由としてアピールしましょう。

会社説明会で志望する地方銀行の強みや特徴について質問する

会社説明会に参加することで、実際にその地方銀行で働いている社員から、その銀行の強みや特徴について聞くことができます。

そのため、その土地に訪れて地域の強みを知るだけでなく、会社説明会にも参加して志望する地方銀行の強みもしっかりと把握しておきましょう。

地方銀行の会社説明会で担当者に質問しておくべき内容は、以下のとおりです。

地方銀行の会社説明会で担当者に質問しておくべき内容例

・他社に負けない点を教えてください
・地元地域にどのように貢献していると感じますか
・今後どのような新しいビジネスの展開を視野に入れていますか

これらの内容を確認しておくことで、その地方銀行の強みや地元住民・企業とのかかわり方などを把握できますよ。

合同説明会について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

ステップ②なぜ魅力を感じるのか根拠となるエピソードを考える

地方銀行やその地域の魅力を見つけられたら、なぜその点が魅力に感じたのかを根拠となるエピソードを交えながら伝える必要があります。

したがって、これまでの経験などを踏まえたうえで、採用担当者が納得できるようなエピソードを洗い出してみましょう。また、地方銀行を志望する際は、自身が生まれ育った地元地域か、それ以外の地域に分かれますよね。

そのため、ここでは地元地域にある地方銀行を志望する際のエピソードと、地元以外の地域にある地方銀行を志望する際のエピソードの2つを解説します。あなたが志望する地方銀行に合わせて参考にしてください。

地元の場合は地もとに貢献したいと感じたエピソード

地元の場合、子どもの頃からなじみのある地域であることから、その地域でさまざまな経験をしているでしょう。

地元に貢献したいと思えるエピソード例

・自身が子どもの頃にボランティア活動の一環として、地元地域の大人たちが勉強を教えてくれた経験
・学生でお金がないときに地域にある商店街の人たちがご飯をごちそうしてくれた経験

そして、このような地元地域に貢献したいと感じられる経験に加え、地方銀行としてどのような場面で地元地域に貢献したいのかまで伝えられると、さらに良い内容になりますよ。

具体的には、災害が発生した際に、志望する地方銀行が積極的に地域の復興支援をおこなっていた場面などを絡めながら、自分自身もこのような姿になりたいと感じた、などと伝えると良いですよね。

地元以外の場合はその地域を選んだ理由となるエピソード

地元以外の地方銀行を志望する場合は、その地方銀行や地域の魅力を感じた経緯を伝えましょう。

地元以外の地域を魅力に感じたエピソード例

・その地域を旅行した際、その地域の人々の温かさに触れた経験
・その地域を旅行した際、歴史的建造物や特産品に魅力を感じた経験

このように地元以外の地方銀行を選ぶ場合は、実際にその地域に訪れて感じた魅力を伝えることで、信ぴょう性の高い志望動機にできます。

また、地方銀行に魅力を感じたエピソードとしては、その地方銀行が主催するイベントに参加した際の経験や、インターンを通じて感じたやりがいなどの魅力を軸に志望動機を考えてみましょう。

ステップ③入社後にどのように活躍したいか意気込みを考える

志望する地方銀行やその地域の魅力、魅力を感じたエピソードなどを具体的に考えられたら、自分自身が入社後にどのように活躍したいのかを伝えて志望動機を締めます。

地方銀行の入社後の意気込み例

・地元地域の経済を活性化させることを目標に、中小企業を中心に金融面でのサポートをしていきたい
・地域住民の一人ひとりの声をしっかりと聞いて信頼関係を築くことで、貴社の預金サービスや保険サービスの利用者を着実に伸ばしていきたい

地方銀行の志望動機では、その企業ならではの要素を盛り込むことも大切ですが、入社後の展望を意気込みとして最後に伝えることで、より採用担当者の印象に残りやすい志望動機にできますよ

理由別! 地方銀行における志望動機の例文5選

地方銀行の志望動機の作り方を知ったところで、地方銀行の志望動機例文を5つの理由別で紹介します。実際の例文を参考にすることで、具体的にどのような流れで志望動機を書けば良いのかを把握できますよ。

地方銀行の志望動機の作り方や盛り込むべきポイントなどは理解できても、どのような流れで志望動機を書けばいいのか迷っている人は、参考にしてください。

なお、企業の場合は「貴社」と記載しますが、今回は銀行をテーマにした志望動機であることから「貴行」と記載しています。

例文①地元地域の経済面を支えたいから

私は、生まれ育った〇〇(地域名)を経済面で支えたいと考え、貴行を志望いたしました。
私は、学生時代に地元商店街の活性化プロジェクトに参加した経験があります。そこでは、以前は活気にあふれていた商店街が落ち着いているのを実感し、地元の地域経済を維持させる重要性を実感しました。
そして、地元で開催されている祭りで地域のために熱心に活動されている貴行の姿を見て、私もその一員として地元に貢献したいと思ったのです。
現在は、地元の飲食店でアルバイトをしており、地域住民一人ひとりに寄り添った対応力を磨いています。
入行後は、地元企業や個人事業主の方々の経営を支援しつつ、地元のイベントなどを通じて他県からの観光客を増やし、地元経済の活性化に努めたいです。

地元地域の経済面を支えたいことを志望動機の軸にする場合、どのようなことで地元地域の経済を支えたいのかまでしっかりと伝えましょう

例文では、地元企業や個人事業主の経営をサポートするほか、地元のイベントを通じて他県からの観光客を増やすことを考えていると具体的に説明しています。

例文②観光した際にその地域に魅力を感じたから

私は、旅行で訪れた〇〇(地域名)に魅力を感じ、貴行を志望いたしました。
具体的には、観光中に出会った地域の方々の温かさや、その地域から見られる美しい風景に心を打たれ、この地域で生活しながら貢献したいと強く感じました。
特に、地元の商店街で出会った方々が地域の発展に熱心であることを知り、私は商店街の繁栄と経済的なサポートをおこなっていきたいと考えています。
大学時代には、金融の仕事に役立つ「ファイナンシャルプランナー」を取得したため、資格の勉強で培った知識を活かし、顧客のライフプランを考慮した金融サポートを担えると感じています。
貴行に入行後は、地域密着型の金融サービスを提供し、地域商店街などの地域住民から厚い信頼を得られる銀行員として成長したいと考えています。

地域の魅力を観光で感じたことを志望動機にする場合は、どのような魅力を感じたのかをしっかりとアピールしなければなりません。例文では、その地域の住民や自然に心を打たれたと話しています。

また、地域の魅力を話した際は、採用担当者から深掘りされる可能性もあるため、魅力を感じたポイントについては入念に調べておくことが大切ですよ。

例文③インターンに参加した際に魅力を感じたから

私は、貴行のインターンに参加した際に、貴行の地域住民への対応力に魅力を感じ、志望いたしました。
貴行のインターンでは実際に支店業務を体験し、地域住民の方々との交流をおこないました。
そしてその経験からは、貴行が地域住民一人ひとりに対してしっかりと対応し、地域に根ざしたサービスを提供していることを実感したのです。特に、地元の中小企業を支援する取り組みや、地域のイベントに積極的に参加する姿勢に感銘を受けました。
また、インターンでは、行員の方々の親身な指導や、チームワークの強さを知ることができ、私が仕事場に求めている環境に合っていると感じました。
貴行に入行後は、地域の企業や住民の方々に寄り添い、経済面でのサポートを通じて地域全体の発展に貢献したいです。

インターンに参加した経験を志望動機の軸にする場合は、インターンで感じた地域の魅力や地方銀行の魅力を伝えましょう。例文では、地方銀行の顧客に対する接し方をテーマに伝えています。

また、インターンを通じて自分自身とマッチしているポイントについても伝えることで、採用担当者から自社にマッチした人材だと思われやすいですよ

例文④会社説明会での説明に魅力を感じたから

会社説明会で地域社会の貢献度に強い魅力を感じ、貴行を志望いたしました。
私は説明会では、地元住民との密接な関係を築く取り組みについて詳しく伺いました。そして、地域企業の支援や地域イベントのスポンサー活動などを通じて、地域社会への貢献に力を入れている貴行の姿に感銘を受けたのです。
また説明会後は、実際に地域の商店街を訪れ、貴行の支援を受けている店舗の方々から感謝の言葉を直接聞く機会もありました。
この体験を通じて、貴行が地域に与える影響の大きさを実感するとともに、自分も金融業界で人から感謝される仕事をしたいと思いました。
大学では、地域経済についての研究をおこなっていて、地域活性化に強い関心を持っています。貴行に入行後は、大学で学んだ知識を活かしつつ、地域企業や住民の方々から感謝されるような銀行員として活躍したいです。

会社説明会は、地方銀行の銀行員から直接話を聞ける良い機会です。そのため、会社説明会で聞いた話をもとに、志望動機を展開していくのも良いでしょう

会社説明会では、その地方銀行ならではの取り組みなどをしっかりと聞き、志望動機の軸として盛り込んでみてください。

例文⑤企業の取り組みに魅力を感じたから

私は、貴行の取り組みに強い魅力を感じ、志望いたしました。特に、一年を通して地域で複数のイベントを開催していることや、地元企業への支援活動に深い感銘を受けました。
私は、大学時代に地域経済活性化プロジェクトに参加した経験があり、地元企業の成長を支援する貴行の取り組みを知り、貴行の地域社会に対する貢献度の高さを実感したのです。
そして、私は生まれ育ってきた〇〇(地域名)に貢献したいと強く考えており、地域社会に大きな貢献をもたらしている貴行に魅力を感じています。
私は大学のゼミ活動で、地域経済についての研究をおこなっているため、貴行の地域経済発展への取り組みでは、自分の知識を活かせると感じます。
貴行に入行後は、地域企業の経営支援や地域住民のニーズに応えられるよう日々の業務を前向きに取り組み、地元経済の発展に寄与したいです。

地方銀行が取り組んでいることは、さまざまです。そのため、志望する地方銀行の取り組みに焦点をあてることで、志望企業ならではの内容にできるでしょう。

そして、志望企業の取り組みに魅力を感じているとともに、どのような観点からその取り組みで活躍できるのかをあわせて伝えられると良いですよ

魅力を感じられない! 地方銀行におけるNG志望動機3選

地方銀行の志望動機を考える際は、地方銀行ならではの志望動機でないと、採用担当者は魅力を感じません。志望動機を考える際は、志望する地方銀行ならではの内容になっているかなどを意識することが大切です。

そこで、ここでは採用担当者が魅力に感じない地方銀行の志望動機を3つ紹介するので、志望動機でマイナスな印象を持たれないためにも、確認しておきましょう。

NG例文①メガバンクでも通じる志望動機

私は、地域経済を支える仕事に魅力を感じ、地方銀行である貴行を志望いたしました。
現在、日本は少子高齢化や人口減少などが原因で、地域経済の衰退が問題視されています。
そのため、地域の商店や住民の方々を経済的にサポートできる貴行に入行することで、地方経済の活性化に貢献して日本を支えられる人物になりたいと考えています。
貴行に入行後は、地域住民や地元企業のニーズに応え、信頼される銀行員として成長したいです。

この例文は、地域経済の発展を志望動機の軸にしていますが、特定の地域に対して思いやりがあるというよりは、地方であればどこでも良いと感じられるような内容になっています。

そのため、採用担当者からは、ほかの地方銀行でも通じる内容だと思われてしまうでしょう。

志望する地方銀行ならではの魅力やその地域の魅力を盛り込み、その地方銀行だからこそ実現できることをしっかりとアピールしてください

NG例文③入社後の活躍想像できない志望動機

私は、貴行の地域密着型の経営スタイルに共感し、志望いたしました。
私は、会社説明会で貴行の取り組みに興味を持ち、貴行のホームページを拝見しました。
そこでは、地域住民との強い信頼関係を築くため地域のイベントや、商店街の活性化に取り組んでいることを知りました。そして私もイベントなどを通じて、地域経済の発展に取り組みたいと考え、志望しました。
私は、地元の商店街でアルバイトをした経験もあり、地域住民とのコミュニケーションの大切さを実感しています。貴行に入行後は、地域住民から信頼される銀行員になりたいです。

この例文では、志望する地方銀行が地域の住民に対して、しっかりと信頼関係を築けていることに魅力を感じて志望したことがわかります。

しかし、入行後の展望はあるものの、具体的な活躍場面が伝わらないため、入社後に活躍できる人材であるかが採用担当者の不安要素になってしまうでしょう。

入社後に活躍できる人材であることをアピールするためには、学校で学んだことなどを盛り込んでどのように活躍できるかを伝えると良いですよ

地方銀行の志望動機は地方銀行ならではの魅力を盛り込んで熱意をアピールしよう!

銀行員に興味がある学生のなかには、地方銀行を志望しようと考えている人もいますよね。

地方銀行を志望する際は、メガバンクとは違った選考対策を講じる必要があります。たとえば、なぜその地域の銀行員になりたいと考えているのか、を志望動機に盛り込むなどです。

このような地方銀行ならではのポイントを盛り込まないと、採用担当者の印象に残りにくい志望動機になってしまうため、注意しましょう。

これから地方銀行の志望動機を作成する際は、この記事で紹介した地方銀行の志望動機を作成する際の盛り込むべきポイントや例文などを参考に、志望する地方銀行ならではの内容を意識してみてください。

【地方銀行の志望動機に関する調査】

調査方法:ポートが運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール

調査日:2024年7月12日~14日

調査元:「就活の未来」を運営するポート

調査対象者:25卒・26卒の就活会議会員の35人

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