2021年10月01日(金) 更新

【就活生必見の適性検査の特徴とテストの種類】対策方法も紹介

この記事の監修者

キャリアアドバイザー

赤塩 勇太

大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。

適性試験を選考にとりれる企業は多い

就活中に、企業から適性検査を受検するよう指示される場合があります。採用選考の一環として適性検査をおこなう企業は珍しくないため、多くの就活生が適性検査の壁に当たる可能性があります。

適性検査を就活の選考に用いる理由

「適性検査で何がわかるのか」と疑問に思ったことはありませんか。多くの先輩も就活を始めた段階ではそう思っているものですが、実はとても重要です。

就活での適性検査とは一体何なのか、なぜ行うのか、きちんと知った上で、早期の対策を打つ必要があります。

企業に合った人材かを見極めるため

就活で行われる適性検査には、企業に合った人材かどうかを見極めるという目的があります。学歴や肩書だけでは、能力や性格をはかることはできません。

企業が求めるレベルの能力を持っているか、適性検査で図ります。

ふるいにかけるため

適性検査は、多くの応募者をふるいにかけるために実施する場合もあります。

応募してきた人数が多い場合には、たくさんの就活生をエントリーシートや面接で判断しなければなりません。送られてくるエントリーシートを読むだけでも大変ですし、面接をする場合には面接会場の予約や面接官のスケジュール調整など、多くの時間と労力がかかってしまいます。

そのため、企業は適性検査により応募者をふるいにかけ、結果をもとに次のステップに進める就活生を選別するのです。例え優れたアピールポイントや志望動機があり、その企業に入りたいという強い熱意を持っていても、適性検査の結果が悪い場合は選考通過が危うくなるでしょう。

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就活の適性検査で行われる内容

適性検査にはどのような内容があるのでしょうか?大別すると、「能力検査」と「性格検査」に分けられます。 適性検査ではこの2つのテストを行い、企業に適している人材なのかどうか見極めます。では、この2つにおいて、それぞれどのような内容が行われているのか見ていきましょう。

内容①:能力検査

適性検査のひとつである「能力検査」では、主に知識を問われるテストが実施されます。しかし、単なる知識だけでなく一般常識、発想力、論理的思考力なども必要になるでしょう。また、能力検査の中でも「言語分野」と「非言語分野」があります。

「言語分野」では、主に国語の分野から、意思伝達能力や文章作成能力などが問われます。 「非言語分野」では、主に理系分野である算数、理科の問題が出題されます。「言語分野」も「非言語分野」も幅広い範囲から出題されるので、十分に対策しておきましょう。

内容②:性格検査

性格検査は、約200問の質問によって性格の傾向を細かく分析します。例えば、「あなたは人と接するのが好きですか?」「忍耐力には自信があるほうだ」などの質問があります。企業はあなたが希望する職種に合った性格をしているのかどうかをチェックしています。

明確な正解などはないものの、企業が好む回答や職種に適した回答は存在するので、そこを意識して取り組むと良い結果が得られるでしょう。しかし、あまりに自分を偽りすぎると入社後に苦労してしまう可能性もあるので注意して下さい。

適性検査で行われる内容

・能力検査:「言語分野」「非言語分野」から幅広く出題される。
・性格検査:200~300問の質問によって性格の傾向を細かく分析する

適性検査を受ける方法は4つ

適性検査を受ける方法は4つあります。企業によって、受験方法が指定される場合と、自分で選べる場合があります。

適性検査を受ける方法4つ

  • 自宅PC ネット環境があれば、自分のPCからでも適性検査は受検可能です。
  • ペーパーテスティング webではなく、紙で配られるテストを回答します。会場と時間を自分で設定する必要があります。
  • テストセンター SPIに限られます。リクルートキャリアが用意する会場をテストセンターといい、会場ではPCで受検します。自分で会場と時間を予約する必要があります。

能力検査は言語テストと非言語テストの二種類

能力検査では、言語テストと非言語テストの二種類が出題されます。言語テストと非言語テストにはそれぞれ時間制限があり、限られた時間の中で回答しなければなりません。

限られた時間の中で全ての問題を回答するためには、出題される内容や問題の解き方を理解しておく必要があります。

どのような問題が出題されるかが分かれば、事前に対策できます。言語テストと非言語テストの内容や制限時間について理解し、事前に対策をしておきましょう。

言語テストは文章理解など国語的な問題

言語テストは適性検査の種類により出題範囲や制限時間が違います。SPIの場合は、「二語の関係」「語句の意味」「語句の用法」「文の並び換え」「空欄補充」「文節の並び換え」「長文読解」などが出題され、制限時間はペーパーテストで30分です。

玉手箱の場合は、「論理的読解32問15分」「趣旨判定32問10分」「趣旨把握10問12分」の中から企業が組み合わせて実施します。

TG-WEBの場合は、「言語(従来型)12問12分」「言語(新型)34問7分」と従来型か新型かによって制限時間が違います。

また、従来型では「長文読解」「空欄補充」「並べ替え」などが出題され、新型では「同義語」「対義語」などが出題されるので注意しましょう。

非言語テストは数学的な問題

非言語テストも適性検査の種類により出題範囲や制限時間が違います。SPIの場合は、「推論」「場合の数」「確率」「集合」「損益算」「速度算」「表の読み取り」「長文読み取り計算」「代金の精算」などが出題され、制限時間はペーパーテストで40分です。

玉手箱の場合は、「四則計算50問9分」「図表の読み取り29問15分」「表の空欄の推測20問20分」の中から企業が組み合わせて実施します。TG-WEBの場合は、「計数(従来型)9問18分」「計数(新型)36問8分」と従来型か新型かによって制限時間が違います。

また、従来型では「暗号」「展開図」「推論」などが出題され、新型では「方程式」「図表問題」などが出題されるので注意しましょう。

就活で行われる適性検査・性格検査の種類

就活で行われる適性検査や性格検査にはいくつか種類があります。この検査の種類によって傾向も大きく変わるので、自分が志望する企業がどの適性検査や性格検査の種類を採用しているのか事前に確認しておきましょう。

以下で、種類ごとにどのような特色があるのかを見ていきます。

種類①:SPI(リクルートキャリア)

適性検査の種類のひとつにリクルートキャリアが制作している「SPI」というものがあります。適性検査の中でも代表的な種類だといえるでしょう。SPIの特徴のひとつとして、誤謬率(ごびゅうりつ)を測定しているものがあるという点です。

誤謬率とは、「回答した問題の中で誤答した割合」になります。誤謬率を測定しているSPIでは、未回答よりも誤答のほうが点数が悪くなってしまうのです。中には誤謬率を測定していないものもあるので、事前にチェックしておきましょう。

種類②:玉手箱(SHL社)

SHL社が出している「玉手箱」も、適性検査の代表的なものです。企業、業界問わずに導入している企業が多くあるので、こちらも就活において対策は必須といえるでしょう。

「玉手箱」は、「言語」「計数」「英語」「性格検査」から成り、Webテスト対策においては外せないものとなります。

種類③:TG-WEB(ヒューマネージ社)

「TG-Web」はヒューマネージ社が出しているテストです。他の適性検査の種類の比べると比較的難しめの問題が出題される傾向にあるのが特徴のひとつです。

「TG-Web」にも従来型と新型があり、種類によって何度は出題傾向も変わるのでチェックしておきましょう。問題の解き方を知っていれば、他の就活生との差をつけられるポイントにもなるので、ぜひしっかりと対策しておくのをおすすめします。

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適性検査・性格検査で落ちる人に共通点

適性検査や性格検査は、もちろん何も対策しなければ良い結果は得られません。実際に適性検査で落ちる人はいます。

表向きは「参考程度」と謳っていても、先に述べたように適性検査は様々な要素を分析できます。適性検査で落ちるのは色んな原因が考えられますが、ここでは適性検査で落ちる人の大まかな共通点を見てみましょう。

特徴①:準備不足

適性検査で落ちるひとつ目の原因は、やはり準備不足ですね。特に、知識や学力を問うものの場合、事前に準備をしないと落ちるリスクが高まります。

適性検査はある程度の準備を重ねれば、その傾向も徐々に見えてくるもの。適性検査で落ちることがないように、しっかりと準備しましょう。

特徴②:時間をかけすぎる

適性検査の難易度はそこまで高いものではありません。テストにもよりますが、多くの場合は時間との戦いになるでしょう。能力検査の計算問題や文章問題などに時間をかけすぎてしまうと、問題をすべて解き終わる前に終了してしまう恐れがあります。

そうならないためにも、答えを暗記するのではなく、解き方を覚えるようにしましょう。わからない問題に当たったときは、いつまでも考えすぎずに潔く諦めるというのもひとつの手です。

特徴③:矛盾が生じる

適性検査で行われる性格検査では、200~300問の問題が出題されます。その質問の答えが矛盾してしまうと、信憑性が下がってしまいます。企業が求める人材を把握することも大切ですが、あまりにも自分とかけ離れた回答をするのはNGです。

適性検査で落ちることのないように、自分の良さをアピールするのも大事ですが、矛盾が生まれないように注意しましょう。

特徴④:性格が極端

性格検査では、極端な性格の人は落ちてしまう可能性もあります。たとえば、人と接することが極端に苦手・嫌いな人は、落ちる可能性が高まるという場合もあります。

あるいは、職種によっては逆に、極端に自己主張が激しい場合に落ちるかもしれません。多くの企業では「協調性」を就活生に求めますので、極端な性格だと適性検査で落ちるケースもありえます。

適性検査で落ちる人の特徴

  • 準備不足
  • 時間をかけすぎてしまう
  • 矛盾が生じている
  • 性格が極端

適性検査・性格検査を通過するためにすべき対策とは?

就活中の人の中には、この適性検査をなかなか通過できずにショックを受けている人もいるでしょう。しかし、落ち込む必要はありません。適性検査は、きちんと対策を練って挑めばそう難しくはないのです。

就活では適性検査で落ちるのなら、その仕事に対して適性がないのではないか、と諦める人もいるかもしれません。

しかし、適性検査で諦めては希望の仕事に就くのは難しいでしょう。就活の適性検査は対策をしていれば、簡単に通過する場合もあります。できる対策をして就活を勝ち抜きましょう。

対策①:求められる人物像に近いものを選択する

就活の適性検査では、できるだけ企業が求めている人物像と結果を近づけたいものですよね。企業はどういった人材を求めているのかを知ることで、適性検査の答え方も変えられます。

自分を偽りすぎると入社できたとしても、その後苦労してしまうかもしれません。しかし、就活では自分を大きく見せるのも大切です。

対策②:回答がぶれないように注意する

適性検査の性格検査は似たような質問が繰り返しでてくるものですが、そのときの気分で一貫性のない回答をしないよう注意しましょう。回答がぶれてしまうと結果にうまく反映されません。

回答がぶれてしまうと矛盾が生じやすくなってしまいます。適性検査で落ちる人の特徴でも挙げたように、矛盾のある回答は企業からの信用を得られず、採用されるのも難しくなるでしょう。そうならないためにも、性格検査ではぶれない回答を心がけて下さい。

対策③:プラスイメージを与えられるようにアピールする

就活では職種ごとに求められている人材像は違いますが、どの職業にも共通して高い方がいい指標があります。

例えば、「我慢強い」「落ち着きがある」「向上心がある」などは、仕事をするうえで高い評価につながる可能性の高い要素だといえるでしょう。我慢強さや向上心は、どの業種においてもあったほうが良いものです。

したがって、持続力をアピールしたいのであれば「忍耐力がある」に〇、「飽き性だ」に✕と答えるといいです。

対策④:マイナスイメージを与えない

上記で挙げた「高い評価を得られる人材像」とは逆に、「低い評価をされる人材像」があるので、こちらも把握しておきましょう。

例えば、「協調性がない」「集中力がない」「気分屋」などの性格だと診断されてしまうと、企業からの評価が低くなってしまう可能性が高いです。

協調性がある人とそうでない人だったら、前者のほうが一緒に仕事をしたいと思いますよね。コミュニケーション能力とストレス耐性は、どの職種においても大切な要素となるでしょう。したがって、これらの指標は低い方が好ましいといえます。

対策に時間をかけすぎるのは得策ではない

適性検査に向けてすべき対策

  • 求められる人物像に近いものを選択する
  • 回答がブレないように注意する
  • プラスイメージを与えられるようにアピールする
  • マイナスイメージを与えない
  • 対策に時間をかけすぎないのも大切

適性検査の対策を紹介しました。就活の選考に組み込まれている適性検査に対して、思いっきり力を入れて対策しようとする人もいるかもしれませんが、そこまで時間をかけすぎるのも避けたほうがいいでしょう。

適性検査は、あくまでも履歴書の延長線だと考えて下さい。就活では他にも対策すべきポイントが多くあります。適性検査の対策するのもいいですが、他の部分も疎かにならないように注意して下さい。

キャリアアドバイザー|赤塩 勇太

「自分の仕事の人格」を書き出す

適性検査でみたい内容は、あなたそのものの人格ではなく、あなたの「仕事上の人格」です。前提として、適性検査で落とされたからといって、あなた自身の人格が否定されたというわけではありません。また、それを逆手にとって考えるならば、自己分析結果をもとに、「自分の仕事上の人格」を一度書き出してみることをオススメします。そうすれば、様々な質問に対してぶれることなく、回答することができ、選考もスムーズになります。

まずは適性検査で落ちる人の特徴を把握!企業が求める人物像の理解から対策を始めよう

就活の適性検査とその対策を見てきましたが、いかがでしたか?適性検査で落ちる人は、きちんと対策を練って備えておけば大丈夫。もうダメだと焦る必要も落ち込む必要もありません。まずは就活の適性検査対策として、企業が求めている人物像を把握しましょう。

就活の適性検査は制限時間内にできるだけ正確に答えるという点も重要です。ハローワークで適性検査を行っているところもあるので、どうしても不安なときは問い合わせて練習してみてはどうでしょうか。

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