2018年10月11日(木) 更新
【グラフ・データあり】離職率が高い業界ランキング|30%~50%の新卒が3年以内に退職する理由
目次
【グラフでわかる】新卒の離職率
新卒の3割は入社から3年以内に辞める
上記のグラフは、 厚生労働省が調査した「新規学卒者の離職状況
」に掲載されている新卒の離職率です。平成4年以降に離職率が増加したり、平成16年以降は減少したりと多少の波はみられますが、毎年3割近くの新入社員が3年以内に辞めています。2年以内に辞める新卒は2割、1年以内では1割であるということもわかるでしょう。「新卒者は年数と同じ数字の割合で辞めている」と考えると、覚えやすいはずです。
30年前でも3割近くの新卒が仕事を辞めている
上記のグラフのとおり、離職率は増え続けているというわけではありません。「最近の新人は辞める」と耳にした就活生もいるかもしれませんが、昭和63年の段階でも3割近くの新卒は辞めていたことが、離職率のグラフでわかります。そこで以下では、新卒が仕事を辞めてしまう理由を見ていきます。
新卒が退職を決める理由
自分の希望する仕事ではなかった
つぎに、新卒が退職を決める理由をご紹介します。厚生労働省のデータを見ると、仕事を辞めた理由として【自分の希望する仕事ではない】が挙げられています。退職を決める原因として、【自分の想像していた仕事のイメージと違う】などが考えられるでしょう。そういったミスマッチを防ぎ、長く働き続けるためにも自分の軸をしっかり決めておきましょう!
満足した給与がもらえない
退職を決めた理由として、労働に対して【満足した給与がもらえない】ことも挙げられます。これは、新卒特有ではなく、3年以上勤めた人も比較的選んでいる退職理由です。なかには、給料が未払いのままというケースもあります。
労働条件が合わない
退職を決めた理由として、【労働条件が合わない】ことも挙げられます。入社してから労働条件のずれに気づいたり、長時間のサービス残業を強いられたりするケースがあるようです。違法な長時間労働やサービス残業などは、体調を崩す原因になります。
人間関係に疲れた
退職を決めた理由として、【人間関係に疲れた】ことも挙げられます。こちらも、新卒特有の退職理由という訳ではありません。会社では、仕事に取り組むうえで、上司や周りの社員と上手に付き合うことが必要となります。周りの社員との人間関係が悪ければ、仕事を円滑に進めるのは難しいでしょう。また、パワハラが原因で人間関係に悩むこともあるようです。
「仕事が自分に合わない」と感じる理由
自己分析や企業研究不足によるミスマッチ
一度は自分で志望した会社でありながら、入社してから「合わない」と感じる人も多いです。理由として、自身の適性と会社の仕事内容を把握できていなかったことが挙げられます。就職活動時に自己分析や企業研究が足りていないと、ミスマッチに繋がってしまうのです。
仕事へのイメージがポジティブすぎた
入社前に想像していた仕事のイメージがポジティブすぎることも、「合わない」と感じる原因として挙げられます。入社後に続けてネガティブな出来事が起こると、「こんなに大変だとは思っていなかった」と自分の仕事への適性を疑ってしまい、「合わない」と感じてしまうのです。
新卒の離職率が高い業界ランキングデータ
新卒の離職率が高い業界を、ランキングでご紹介します。
離職率が高い業界(高い順に掲載)
•宿泊業、飲食サービス業 50.5%
•教育、学習支援業 47.3%
•医療、福祉 38.4%
•小売業 37.5%
•サービス業(他に分類されないもの)36.4%
•繊維工業 36.3%
•不動産業、物品賃貸業 35.9%
•学術研究、専門・技術サービス業 32.2%
•木材・木製品、家具・装備品製造業 30.5%
•建設業 30.4%
•食料品製造業 30.3%
•卸売業 28.5%
•パルプ・紙・紙加工品製造、印刷・同関連業 27.3%
•運輸業、郵便業 26.0%
•情報通信業 24.5%
•金属製品製造業 24.0%
•複合サービス事業 23.2%
•その他の製造業 22.5%
•金融・保険業 21.0%
•飲料・たばこ・飼料製造業 20.3%
•窯業・土石製品製造業 18.5%
•非鉄金属製造業 16.2%
•鉄鋼業 14.5%
•機械関係 13.7%
•化学工業、石油製品・石炭製品製造業 13.2%
•鉱業、採石業、砂利採取業 12.4%
•電気・ガス・熱供給・水道業 8.5%
新卒の離職率が高い業界1位は宿泊業と飲食サービス業(50.5%)、2位は生活関連サービス業と娯楽業(47.9%)、3位は教育と学習支援業(47.3%)となりました。生活に密着したサービス業は、例年離職率が高い傾向にあるようです。
【最新】新卒離職率が低い業界
1位は『電気・ガス・熱供給・水道業』
厚生労働省のデータによると、離職率が低い業界1位は電気・ガス・熱供給・水道業(8.5%)、2位は鉱業・採石業・砂利採取業(12.4%)、3位は化学工業・石油製品・石炭製品製造業(13.2%)となっています。これらは、離職率の低い業界として毎年名前が挙がりやすいと言われています。これらの企業のメリットは、以下の通りです。
これらの企業のメリット
離職率が低い業界のメリットをご紹介します。
これらの企業のメリット
- 残業が少なく、勤怠が不規則にならない(労働条件面)
- 業務が定型で、接客やクレーム対応なども少ない(仕事内容面)
- 給与が安定しており、勤務時間に対して比較的良い(給与面)
- 社内でのキャリアプランがしっかりしている(キャリア形成面)
新卒の離職率は自分で計算して確かめることができる
新卒の離職率の計算方法
自分の会社の離職率や、これから応募したい会社の離職率を計算するには、下記のように計算をしてみましょう。離職率を知ることで、その会社の問題点や確認すべき点が分かるでしょう。
離職率の出し方
①少なくとも3年以上前に入社した新卒社員の数を年度で区切って調べる
②その年の新入社員が3年後までに何人退社したかを知る。
③退社した人数÷入社当初の人数=離職率となる。
※1年のうち、2年のうちと知りたい場合は、それぞれ1年間でどれだけ辞めたのか、2年間でどれだけ辞めたのかを知らなければならない。
計算するうえでの注意点
最新の情報を知りたいからと昨年度の入社人数を調べても、今年度はまだ終わっていないため、年度を通じた離職率の計算ができません。 少なくとも2年前、できれば3年前の入社人数と、その人たちの1年後・2年後・3年後の在籍人数を、比べてみると良いでしょう。
離職の「七五三現象」
ここまでご紹介した内容は、大学の学部卒を指したものです。高卒や中卒となると、更に離職率は高くなります。中卒は、入社して3年後に7割の人が、高卒は5割の人が退職しているのです。これは、大卒の3割とあわせて、七五三(しちごさん)現象と呼ばれています。また、中卒・高卒の離職率も大卒と同じく、この30年間ほぼ同じ割合のようです。
長く勤めるために必要なこと
長く勤めるには何が必要か
同じ会社に長く勤めるためには、何が必要なのかを考えてみましょう。第一に、入社3年以内に離職しないためには、【仕事内容が合っている】企業を選ぶことが大切です。【賃金】【労働条件】【人間関係】といった、詳細をしっかり確認することが大切になってくるでしょう。
3年以上勤務し始めてからの注意点
入社から3年~10年以内で辞めた人の退職理由には、【結婚・育児のため】が多いようです。 また、10年以上勤めた人の退職理由には、【責任が重すぎた】【雇用形態】【健康上】などが挙げられます。これらの退職理由は、自身の状況を精神的にも身体的にもきちんと把握することで避けれるでしょう。前もって異動願いや相談を重ねていれば、退職せざるをえない状態になる前に、回避できる可能性があるのです。
新卒の離職率は30%~50%!しっかり理解したうえで就活に取り組もう
本ページでは、新卒の離職率や退職を決めた理由、離職率が高い業界などをご紹介しました。大学は3割、高卒は5割、中卒は7割の新卒が、3年以内に仕事を辞めているようです。辞めた理由としては、【仕事が自分に合わない】【満足した給与がもらえない】【労働条件が合わない】などが挙げられています。就職活動の段階で、志望している会社の詳細をしっかり調べて、ミスマッチがないようにしましょう。
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