2021年09月16日(木) 更新
【圧迫面接の対策】質問例と合わせて回答ポイントも紹介
目次
圧迫面接とは
威圧的な態度や答えにくい質問をしてくる
就職活動を続けていると、まれに圧迫面接に出くわすことがあります。圧迫面接とは、人事担当者が応募者対してわざと、否定的な態度や答えにくい質問をしてくる面接のことです。そういった威圧的な態度や答えにくい質問をすることで、企業は応募者の対応を試しています。
企業は「ストレス耐性」と「対応力」をみている
人は威圧的な態度を受けると、感情が動き、素直な反応が表れることが多いです。企業は、そのような圧迫された状況で垣間見える、応募者の本性を見抜こうとしています。
とくにクレーム処理や営業等の人的ストレスが多い職業では、上辺だけのやり取りで適性を見極めることが難しいため、このような方法を取っていることが多いでしょう。
具体的には、困難な状況でも冷静に対処できる「ストレス耐性」があるか、想定外のシーンに対処できる「対応力」があるかどうかの2点を評価されます。また、圧迫面接がある程度認知されてきた最近では、圧迫面接と気づいて対処できるかという「察しの良さ」をはかる企業もあります。
圧迫面接とわかる面接官の態度例
圧迫面接かなと感じたとき、本当にそうなのか判断する基準のひとつになるのが、面接官の態度です。わざと圧迫面接をする面接官はわかりやすく態度に表れます。
以下のような面接官が出てきた場合、「圧迫面接か……落ち着いて対処だ」と客観的に捉えましょう。冷静な意識を保っていれば、必要以上に動揺してしまうのを避けることができます。
圧迫面接官の態度例
- ほお杖、大声などによる『横柄さ』の演出
- ずっと書類を見たりよそ見をしていたりなどの『本人への興味のなさ』アピール
- 応募者の言葉を聞かず、頭ごなしに否定する『待ち構えていた』対応
- 質問の回答に対して「なぜ?」としつこく聞いて無理に『限界』を試す
実際にあった圧迫面接とその意図の予想
パターン①相性否定型
実際にあった圧迫面接の質問例と、その意図をみていきます。突然の質問では意図まで読むことはできませんから、先にパターンを掴んでおきましょう。
はじめに、相性否定型の質問例です。これは、応募者のアピールに対して、企業側と合っていない、相性がよくないと返すパターンになります。この場合の質問の意図は、応募者と企業の相性をはかるということです。
相性否定型の質問例
「あなた、うちの会社向いてないんじゃないですか?」
「学校で学んだ事はここでは活かせませんよ」
「この仕事、そういう性格の人は長続きしないんですよね」
「その考え方、うちでは通用しないよ」
【企業側の意図】
・自分(応募者自身)のことをきちんと理解できているか
・事前に企業のことを調べて理解してきているか
・自分と企業のマッチングを考えているか
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パターン②理想・やる気否定型
応募者の志望動機などを否定して、意欲をくじこうとするパターンです。この質問は、応募者の対応から、仕事に対する理解や意欲の高さを確認しています。とくに、新卒採用や未経験業務への応募の際にあり得る質問です。
理想・やる気否定型の質問例
「あなたが考えているような仕事じゃないですよ」
「残業も多くてきつい仕事だから、やめておいたら」
「やる気でどうになるなら面接なんてしてません」
【企業の意図】
・企業や仕事の実情を正しく知ったうえで希望しているか
・困難なことがあってもやり遂げる気持ちがあるか
・動機や意欲が上辺だけのものでないか
パターン③本人否定型
応募者の自己PRなどを責めて、人柄を否定するパターンです。これは、やはり質問とは裏腹に、どれだけ応募者が魅力的な人物であるのかを確かめようとしています。
本人否定型の質問例
「普通ですね。個性がない」
「この経歴からすると、一貫性の無い人なんですかね」
「そんなの誰だってできますよ」
【企業の意図】
・自分をアピールしきれるか
・自分に自信を持っているか
・自ら他人と違うところを把握しているか
具体的な対処法と回答例【11種】
パターン①相性否定型の対処法
質問のパターンと意図がわかったところで、どのように対処するかをタイプ別に考えてみます。まずは相性否定型の対処法からみていきましょう。
【回答のポイント】
企業との相性について、自分は合っていると思う点を理論的に説明します。または、相手がそう思った理由を聞いて、自分の新しい点をアピールしなおしましょう。
「あなた、うちの会社向いてないんじゃないですか?」
【回答1】
「以前の説明会で、御社では〇〇な人材を求めていると伺いました。私は、自分の〇〇という長所を御社の〇〇な点で活かせると考えています」
【回答2】
「そう思われた理由をお聞かせ願えますか」
(企業の返答)
「そういったことでしたら、私は〇〇な一面も持ち合わせております。(具体例を挙げてから)こういった一面は御社では活かすことができるのではないでしょうか」
「学校で学んだ事はここでは活かせませんよ」
【回答3】
「分野は違っているかもしれませんが、この学業を最後までやり遂げる中で学んだ〇〇(忍耐力・協調力等、広く使える能力)は御社の業務で活かせると考えています」
「この仕事、そういう性格の人は長続きしないんですよね
【回答4】
「なぜ長続きされなかったのか、詳しいご状況を伺ってもよろしいでしょうか。今後、同じ状況になった際の参考にさせていただき、改善していきたいと思います」
「その考え方、うちでは通用しないよ」
【回答5】
「はい、まだ現場を知らないため自分の考え方は甘いと思います。しかし、実践ではもっと試行錯誤して、困難を乗り越えていきたいと思います」
パターン②理想・やる気否定型の対処法
次に理想・やる気否定型の質問に対する回答例を見てみましょう。
【回答のポイント】
自分がきちんと仕事のことを理解した上で志望している、または理想より大変でもそれを乗り越えるやる気がある、ということを見せましょう。
「あなたが考えているような仕事じゃないですよ」
【回答6】
「はい、実際には〇〇なこともあり、大変な業務であると伺っています。しかし、それに対する不安よりも、希望の方が自分にとっては勝っています」
「残業も多くてきつい仕事だから、やめておいたら」
【回答7】
「残業が多くてきつい仕事でも、その分やりがいがあると思っています。興味の持てない仕事であれば苦しいでしょうが、この仕事であれば大変さもバネにがんばれると考えています」
「やる気でどうにかなるなら面接なんてしてません」
【回答8】
「もちろん、やる気だけでは不十分だと感じています。業務のために積極的に勉強や思考錯誤を行っていきたいと思っています」
パターン③本人否定型の対処法
最後に本人否定型の対処法です。
【回答のポイント】
一番カッとなったり落ち込んでしまったりするパターンですが、面接官がチェックしているのは落ち着いて対処できるかどうかです。冷静に自分の魅力をアピールしましょう。
「普通ですね。個性がない」
【回答9】
「はい、これまでの私の個性は、まだ突出したものではありません。しかし、御社の〇〇な点では活かすことができると考えています。これから〇〇な部分をより成長させ、御社の業務に活かしたいと思います」
「この経歴からすると、一貫性の無い人なんですかね」
【回答10】
「これまでは、何度か進路に悩み、方向性を変えることもありました。しかし、その時のつらさが今、自分の糧になって、さまざまなことにチャレンジできる土台になっていると感じています」
「そんなの誰だってできますよ」
【回答11】
「お恥ずかしながら、当時の私には大変なことでしたので、力を入れておこないました。その結果、今では〇〇することができるようになりました。この成功経験によって、これからまた新しい挑戦をすることができると思っています」
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圧迫面接に出くわしたときの心構え
リラックスして圧迫面接に対応する
実際に圧迫面接を受けると、緊張して上記のようにすらすらと答えることは難しいでしょう。少しでも返答できるように、落ち着くことを意識してください。 そのために、まず、圧迫面接は【本当にあなたが嫌でそういう態度を取っているわけはでない】と考えましょう。
面接官の横柄な態度や意地悪な質問は演技であり、あなたを試すためにおこなっているものと考えることがおすすめです。 「あぁ、圧迫面接か。大変だなあ」 「ストレス耐性を見てるんだな」 といったように客観的に捉えると、気分もリラックスするでしょう。
常に前向きな回答を心がける
面接官のどんな理不尽な質問や態度にも明るく対応し、前向きな回答に心がけましょう。圧迫面接では、マイナスの感情を表に出さないことが肝心です。質問にうろたえたり、ムッとしたり、反論したりするのはNGです。気をつけてください。
沈黙や泣くという行動もマイナス評価につながります。自分の感情をコントロールできないようであれば、社会人として未熟だと思われても仕方ありません。面接官の言葉を受けとめたら、自分のポジティブな意見を伝えて、前向きな回答をするようにしてください。
答えられない質問をされてもこちらから辞退するつもりで気にしない
中には、どんどん質問を掘り下げて、キリがない面接をしてくる企業もあります。その場合、悪いのはあなたではなく企業の方です。うまく答えられなくても、ショックを受けたり、落ち込んだりするのはやめましょう。
できる限り最後まで食いついてみて、 「あんな面接してくる会社には入りたくない」 と思ったら、内定を得てもこちらから辞退すればいいだけのことです。あまり気にしないようにしましょう。
圧迫面接かどうか判断がつけづらい質問は前向きにとらえる
まれに、面接官にそのつもりはなくても圧迫面接と感じられるケースがあります。面接官がコミュニケーションに優れていなかったり、そもそも威圧的な人柄だったりしたために、就活生がそのような印象を抱いてしまいます。
圧迫面接かそうでないかの判断がつきづらい場合は、無駄に緊張してしまわないために質問をこんなふうに変換してみましょう。
前向きにとらえてみると…
「もし自分の希望通りに配属されなかったらどうしますか?」
→「人事移動は他の人との調整だから希望通りにいかないこともあるけど、がんばれそうですか?」
「あなたが弊社に入社することで、弊社にどんなメリットがあるのでしょうか?」
→「あなたが弊社に入社したらどんな活躍をしてくれるか、教えてください」
→「就活の調子はどうですか?進まなかった選考の理由はちゃんとおさらいしてますか?」
実際のところ、面接官もこれらの質問を口にしてから、「さっきのは言い方がきつかったかな、圧迫だと思われたらどうしよう……」 と思っていることがあります。あまり思い悩み過ぎないように、前向きにいきましょう。
圧迫面接の意図・質問例を確認して対策を立てよう
威圧的な態度や答えにくい質問をされる圧迫面接では、「ストレス耐性」と「対応力」を評価されています。突然圧迫面接を受けると、必要以上に委縮してしまう人が多いです。そのため、先にどのようなパターンの圧迫面接があるのかを知り、面接官の意図を理解しておくとよいでしょう。
圧迫面接中は、緊張ですらすらと答えることは難しいでしょうが、少しでも上手に返答できるためには、落ち着くことが大切です。
また、まれにそのつもりはないのに圧迫面接ぎみになっている面接官もいます。圧迫面接かどうか判断がつきづらい場合は、質問を前向きに考えて、気にし過ぎないようにしましょう。
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