2020年06月23日(火) 更新

就活における企業研究のやり方|ノートの記入例や情報収集の方法

この記事の監修者

キャリアアドバイザー

赤塩 勇太

大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。

企業研究はいつやるもの?

就活が始まったらすぐ取り掛かる

企業研究は、入社したい企業の特徴を把握するためにやっておくべきです。志望動機を考える材料にもなりますし、入社後のミスマッチも減らせます。

企業研究は、就活が始まったらすぐに取り掛かりましょう。やった分だけ、結果が出ます。

業界研究の後に行なう

企業研究は、業界研究の後に行いましょう。業界研究で業界の状況を把握しておくと、どの企業を調べるべきかある程度絞れます。

多くの企業を調べるより、自分に適した企業を重点的に調べた方がその企業について詳しく知れるでしょう。

選考前に取り掛かると行きたい企業が明確化する

企業研究を、選考前に取り掛かれれば行きたい企業がより明確化します。

選考中に、企業研究をしていても良い志望動機は出来ませんし、面接で入社したい意欲を伝えられません。企業は、企業に関する情報を調べ理念を把握している就活生をとりたいと思っています。それは、ミスマッチによる早期退職を減らすためです。

企業研究をしていないと後悔する

選考中、企業研究をしていない就活生は一目瞭然です。なぜなら、採用担当者は、多くの就活生と接しているためです。

仕事内容や企業理念を理解していない志望動機や受け答えを聞けば、「企業研究していない」と感じるでしょう。選考中、企業研究せず後悔した就活生は多いです。しっかりと、時間を取って取り組みましょう。

志望動機が具体的に記載できない

企業研究をしていないと、説得力のある志望動機は書けません。志望動機は、受ける企業ごとに書き換える必要があります。

同じような志望動機で何社も受けると、採用担当者に「使い回ししている」とバレるのです。企業の特徴をしっかりと把握した上で、志望動機は書くべきと言えます。

面接で説得力のある回答ができない

面接では、説得力のある言い方をしないといけません。ただ、話しているだけだと、面接官にやる気を伝えられません。

企業研究をしていないと、たださえやる気を感じられない回答が一層目立ってしまいます。企業研究は、回答の基盤になるものです。基盤をしっかりとさせ、説得力のある回答をする必要があるでしょう。

入社後ミスマッチに気づく

企業研究していないと、入社後になってミスマッチに気づくこともあります。思い描いていた仕事と違っていれば、一気にやる気がなくなってしまうのです。

企業研究をしていれば、ミスマッチはなくせます。入社する企業が、どんな職場環境なのか、自分のスキルを活かせるのかどうかしっかり見極めましょう。

就活の軸を明確にして、選考に備えよう

採用活動の自粛などで、波乱続きの今年の就活。だからこそ、明確な「軸」を持って臨まなければ、後で失敗しかねません。でも、それが難しいという人も多いはず。

そこで活用したいのが「就活の軸作成マニュアル」です。

就活の軸作成マニュアルでは、「Will」と「Can」を使って、簡単にブレない軸を作ることができます。就活の軸作成マニュアルで揺るぎない軸を作成し、選考を突破しましょう。

企業研究で見るべき箇所とは

①企業の基本的な情報

企業研究で知るべき企業の特徴としては、企業の基本的な情報が挙げられます。企業名はもちろん、資本金や企業の理念なども知っておく必要があり、これらは面接で問われる可能性もありますので、しっかりと覚えておかなければなりません。

他には社長や創業者の名前、創業年月日、従業員数や売上高なども基本の情報としては挙げられますので、これらもしっかりと覚えておきましょう。

数字などついては完璧に覚える必要はありませんが、大体の数値は把握しておき、企業がどの程度の規模にあるのか知っておくことが大切です。基本的な情報を知らなければ企業への理解を深めることは難しいですし、面接対策の一環としても基礎の部分はしっかりと固めてください。

②企業が行っている事業内容

企業が行っている事業内容も、企業研究で知っておくべき特徴のひとつです。企業が扱っている商品やおこなっているサービスなどはきちんと理解しておきましょう。

企業がどのような事業をしているのかを知らなければ、企業内でどのような仕事があるのかもわかりませんし、就職後のイメージを膨らませることができません。

就職前に企業で働いている姿を想像しておくことは大切ですし、面接官にもそれをイメージさせることで、好印象を与えることができます。

事業内容を知らないことには、仕事の内容を知ることもできませんし、企業で働く姿もアピールできなくなってしまいます。事業内容は詳細まで把握しておき、それぞれの商品、サービスの魅力なども理解しておきましょう。

③企業の社員に対する福利厚生など

企業研究では企業について知ることも大切ですが、それだけではなく、企業の社員に対する福利厚生など待遇についても知っておく必要があります。

企業によって待遇は違っていますし、納得できる環境で働くことができなければ、長く続けられません。仕事内容をきちんと理解し自分に合ったものを選んだ上で、受けられる待遇についても満足している必要があるため、福利厚生は必ず確認しておきましょう。

福利厚生としては保険や各種手当などだけではなく、教育制度なども確認してください。教育制度がある場合は、どのような制度があるのかまで確認しておきましょう。

教育制度が充実していれば、会社からのサポートが充実していますので、働きやすく、成長しやすい環境が整っていると言えます。

効率の良い企業研究の仕方【情報収集】

①コーポレートサイトを確認

企業は、自分たちの事業や考え方を知ってもらうために、コーポレートサイトを作成しています。これは、就活生にとっては企業研究に役立つ重要なのものになるため、チェックしておきましょう。

企業研究に利用する場合、確実におさえておきたい項目があります。それは、企業概要・事業内容・プレスリリースです。企業概要は、企業名・資本金・従業員数・本社所在地、事業内容はどのような事業を展開しているか、プレスリリースは報道機関に向けた情報の提供を発表する項目になります。

企業概要は、情報を整理する際に利用し、事業内容はその企業がどのような事業展開をしているのかを把握するために閲覧してください。プレスリリースは、最近その企業がおこなった重要な情報を得るために確認するようにしましょう。

②採用サイトを有効活用

企業の採用サイトにも、企業研究に役立つ情報が掲載されています。採用サイトでおさえておきたいのは、募集職種や企業文化の記載内容です。

募集職種は、企業がどのような職種を募集しているのかを知ることができます。企業文化は、企業を選ぶ際にとても重要になる項目です。社長のメッセージが掲載されている場合もありますので、チェックしておきましょう。

③会社説明会や合同説明会に参加

合同説明会や会社説明会で話をしてくれるのは、その会社の顔である「人事」です。その人の話し方や考え方、説明会のやり方で、他の社員の方々の雰囲気までもが少しだけわかります。自分のOB・OGがいないような企業は、説明会に参加して、その企業の雰囲気をつかみましょう。

会社説明会に参加することで、自分一人ではイメージしづらい業務の流れやビジネスモデルについて改めて学べます。

とくに「B to B」の事業を展開している会社への応募を考える際、なかなか企業研究が進まなくて悩む就活生も多いのではないでしょうか。「B to B」の理解を深めるためのはじめの一歩として、説明会がぴったりです。

④OB・OG訪問をする

OB・OG訪問も、企業研究では欠かせないものになります。なぜなら、仕事の喜びや苦労を実際に働いているOB・OGから聞き、自分の働く姿をより具体的にイメージできるようになるからです。

OB・OG訪問は企業説明会などと違い、その人のキャリアや考え方についてより深く学べます。OB・OGの将来への展望を聞くと、企業研究や業界研究につながるだけではなく、自分の今後のキャリアについてより深く考えられるようになるでしょう。

⑤IR情報をチェックする

IR情報のチェックも企業研究に役立ちます。IRとは、企業が投資家向けにデータを提供するものです。企業は、株主から多くの投資を得たいと考えています。そのため、IRには投資家が投資をするか否かを決める判断要素になる情報が掲載されているのです。

そこから、その企業の今後の展望が読み取れますので、自分が就きたい仕事が今後どうなっていくのかなどもわかります。

IRを読むと、株主総会で企業がどういったことを話しているのか、世の中の景気、株価の推移までもが理解できてしまうので、社会に出たときに大きな力になります。就活だけで終わらせることのない勉強ができるでしょう。

⑥インターンシップへ参加

企業について理解を深めたいのなら、積極的にインターンに参加しましょう。インターンシップでは、質疑応答の時間が設けられている場合がほとんどです。

説明会では、会社概要や事業説明などの大まかな説明が多い一方、インターンでは実務に深く関わるチャンスがあります。

実務に関わったからこそ抱く疑問があるはずです。また、実際に社員の方と行動をともにするので、説明会などで質問しづらかった人も気軽に質問しやすくなるでしょう。

⑦業界地図の本を読む

企業研究では、業界地図を読むのもおすすめです。業界地図として有名なのは、日本経済新聞社の「日経業界地図」、東洋経済新報社の「会社四季報 業界地図」です。

業界地図を読むと、いくつもの業界を横断して事業を展開する会社があることがわかります。業界地図を見れば、勢力関係や市場規模に加えて、買収や提携、出資関係についても図で理解できるのです。

一つの業界だけでなく、社会全体のトレンドや新たな可能性を知るチャンスにつながります。

⑧新聞やニュースに目を通す

新商品の発売や事業展開、新サービスの導入など、ほぼリアルタイムで最新情報を手に入れられるので、新聞を企業研究や業界研究に必要な情報の宝庫と呼ぶ就活生も多いです。

また、採用サイトでは基本的に「いい話」が多くなってしまう反面、新聞であれば課題や問題点についても客観的に記載されています。新聞を読んで、課題解決のために何ができるのか、自分なりに考えておくとよいでしょう。

実際に、エントリーシートや面接で「わが社の課題は何だと思いますか?」と聞かれるケースも珍しくありません。

⑨経営陣のSNSや著書に触れる

会社のトップの発言を細かく確認するのも、企業研究をうまく進めるコツです。SNSで、手軽に情報のキャッチアップが可能になります。

最近では、ブログを公開している経営者も珍しくありません。志望企業の社長が本を書いている場合は、ぜひ一読してください。

社長の発言に直に触れておけば、その企業だけでなく業界全体への理解も深まります。その際、発言に込められた意図をくみ取ることが必要です。言葉の真の意図を追及する姿勢を忘れないようにしましょう。

⑩就職情報サイトを利用

民間・役所の就職情報サイトを活用してみるのもおすすめです。リクナビやマイナビのような大手サイトだけでなく、「グッドカンパニー大賞」や「jobway」をチェックしたり、厚生労働省が認定する「若者応援宣言企業」も調べてみてください。知っているようで知らなかった発見があるかもしれません。

小規模なサイトには対応が丁寧・小回りが利くといったメリットもあります。

また、就職情報サイトに登録すると、場合によっては"特別選考"へ進めるかもしれません。その数は決して多くありませんが、魅力的だと思う企業の特別選考があれば、このうえないチャンスとなります。

おすすめのサイト

NewsPicksがおすすめです。NewsPicksでは、経済に関するニュースを見ることができます。フォロー機能があるため、友人や各業界の有名人などのおすすめの記事をチェックすることも可能です。記事に対してのコメントを読むことで、多くの考えも知ることもできるため、ぜひ活用してみてください。

企業研究の情報収集で注意すべき点

偽の情報に惑わされない

インターネットを利用すると、偽の情報に惑わされる可能性があります。根も葉もない噂は、お互いの顔が見えないインターネット上で多くなる確率が高いです。

信ぴょう性のある情報なのかを調べてから、その情報を信じるようにしましょう。嘘に踊らされ、内定を取れなかったらシャレになりません。

公式サイトの情報を信用する

公式に発表している内容は、偽の情報ではないと言い切れます。偽の情報かどうかわからない場合は、公式サイトを確認しましょう。

もし、そのサイトに知りたい情報がなければ、その企業に問い合わせてみる手もあります。説明会での質疑応答時間に聞いてみるのも、良いでしょう。

情報は新しいものを収集する

情報は、常に最新のものを収集しましょう。比較するなら、古い情報を知っていて損はしませんが、そうでない限り無意味です。

業績や職場環境は都度変化するものなので、新しい情報を入手しておきましょう。最新情報を収集し続けると、その企業の将来性が見えてくることもあります。

効率の良い企業研究の仕方【ノート作成】

集めた情報はノートにまとめる

集めた情報はわかりやすいように整理して、ノートにまとめておきましょう。企業単位で情報をまとめ、1冊のノートに幅広い企業の情報を網羅するとよいです。

企業研究ノートを作る際には、大きいサイズのルーズリーフを使うことをおすすめします。新しく情報を追加したい場合に、とても便利です。企業研究用に販売されている市販のノートもありますので、既製品を購入するのもよいでしょう。

見開き1ページに1企業ずつまとめる

企業研究ノートは、見開き1ページを使って1企業をまとめましょう。片側1ページでは、情報量が多いと書ききれません。後で、別ページに追加していては読むときに混乱するため、同じ企業の情報は同じ箇所にまとめておいてください。

見開き2ページもあれば、自由に書き込めるので、余裕があれば多くスペースを確保しておきましょう。

同じフォーマットで作成する

ノートに書く情報は、同じフォーマットに沿って作成すると見返す時に便利です。企業ごとにフォーマットを変えていては、比較も出来ません。比較することも考慮し、同じフォーマットを作成しておきましょう。

「企業の基本情報」「企業の将来性」「企業が扱う商材」「新卒採用の募集要項」「企業の労働環境」の項目は必ず入れましょう。そのほか、説明会やインターンシップなど話を聞いたり見たりする場のメモができるスペースがあるとと尚良いです。

自分の考えや感想もメモしておく

企業研究ノートには、自分の考えや感想をメモしておくと就活のよい判断材料となります。インターンシップや面接で何を感じたか、書いておくのです。

その際、良い点と悪い点の両方をメモしておくことが大切になります。直感でメモを取ると、見慣れた頃に見返す時の参考になるでしょう。

企業研究ノートの記入例

企業研究ノートの記入例を見ていきましょう。ノートへの記入は、ボールペンを使用してください。後で意見が変わったら、付箋を利用しましょう。

以前はこういう意見だったという状態を残しておくと、自分の気持ちの変化がわかります。受ける企業を絞る際に、役立つのです。

就活の軸を定めておこう

企業研究をする際は「就活の軸」を定めることが大切です。就活は内定を得ることが目的ですが、内定を得て入社した後も自分の選択に自信を持つことで、本当に就活が成功したといえるでしょう。

しかし、就活の軸を定めることは難しいです。そこで活用したいのが「就活の軸作成マニュアル」です。このマニュアルでは、就活の軸の作り方が詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるため、就活に迷いがある学生はぜひ無料でダウンロードしてみましょう。

企業研究中に意識すべき3つのポイント

自分にとって「働くとは」を考える

自分にとって「働く」とは何かを考えましょう。士気の高い人たちに囲まれて働きたい人、定時で帰りプライベートも充実させたい人、いろいろな考えが出てくるでしょう。

自分にとっての「働く」の意味を考えていくと、自分がどのような目的を持って仕事に臨みたいのか、またはどのようなゴールを目指して仕事をしたいのかが見えてくるはずです。それが見えてきたら、どのような企業が合うのかを探しましょう。

『はたらきたい。』(ほぼ日刊イトイ新聞)を読む就活生も多いようです。自分にとって大切なことや、働く目的を探すために外から情報を仕入れるのもオススメといえます。

自分が興味のある分野・職種を考える

自分に合っている企業を理解できたら、自分が興味のある分野・職種を考えていきましょう。リサーチや分析業務に携わりたいのか、人とコミュニケーションを取るのが好きだから接客や営業にいきたいのかなど、興味のあることから派生させてみてください。

興味がある分野・職種を考えていくと、必然的にどの業界に行きたいのかが見えてきます。コミュニケーションを取るのが好きで、かつ何かを生み出している企業に行きたいと思えば、メーカーの営業職などにいきつくでしょう。このように考えると、調べるべき企業が見えてきます。

働く場所に求めるものは何か想像する

自分が働く場所に求めるものは何かを想像してみてください。給与・残業代・家賃手当・海外転勤有・育成制度など、いろいろなものが考えられるでしょう。その中で、自分の譲れない条件と合致する企業を探すのも手です。

働く場所に求めるものは何かを考えていくと、働く企業の規模も大体わかってきます。たとえば、家賃手当や育成制度などを求めている場合は、大手企業を研究をすることになるでしょう。

それは、大手企業や大手企業のグループ会社は比較的制度が整っているからです。圧倒的な成長や裁量権を求めている場合は、中小企業やベンチャー企業を中心に研究するとよいでしょう。

就活中の企業研究は信用性の高い最新の情報をノートにまとめておこう

企業研究は企業の特徴を掴み、自分との相性を見極めるために必要な作業です。それが説得力のある志望動機や魅力ある自己PRにつながります。

興味のある企業なら、情報を集めておいて損はありません。しっかりと調べ、志望動機や面接で役立ててください。

企業研究をする前に、あなたにとっての働くという意味を考えることも必要です。記事中でもご紹介しましたが、キャリアパークで無料ダウンロードできる業界マップも活用してみてください。下記からも入手できますので、19卒のみなさんは21業界の200社以上の情報をチェックして、自分に合う企業を探しましょう。

キャリアアドバイザー|赤塩 勇太

社員へのインタビューも企業研究において参考になる

就活の基本的なマナーを理解したあとは、業界研究・企業研究は重要です。

基本情報(社風や事業内容など)を理解したら、実際に会社の社員のインタビューなどを通じて、「どのような人物像が活躍できるのか」について具体的に知っておくことが重要です。

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