Q.スケマネがどんなサービスなのか教えてください。

一言で言うならば「大学生向け実践専門のコミットメント型キャリアコーチングサービス」です。学生によくあるのが就活を受験のようにとらえてしまうこと。就活では選考対策という名の過去問に取り組み、回答を覚えて内定という名の良い点を取るというように考えてしまっている学生が一定数いるという印象があります。つまり内定を取ることを目標にしているようなイメージですが、それはキャリアという長期的な目線で考えると果たして良いことなのでしょうか。就活は通過点に過ぎません。スケマネでは過去問などなしに、就活や今後描きたいキャリアの答えを自分で導き出してもらいます。答え合わせではなく自分で答えを考える。そういった人材を育てるサービスです。

<スケマネとは>

マッキンゼー・アンド・カンパニー、Google、三菱商事など一流企業出身の講師が支援する大学生向け実践専門のキャリアコーチングサービス

Q.実際どのような内容になっているのでしょうか。

ビジネス版ライザップだと考えてもらえるとわかりやすいと思います。なりたい自分と今の自分を照らし合わせて、そのギャップを埋めていくようなイメージですとはいえそもそも「なりたい自分」が描けていない人も多いと思うので、まずはその設定から、メンターと共に始め、当社で用意しているさまざまなプログラムに一緒に取り組んでいきます。そのうえでなりたい自分をかなえるために、自分らしさとは何で・自分にフィットする環境はどこなのか、自己理解をすすめていきます。加えて自分がどういった学習スタイルで学びを進めると良いのかという部分も測っていきます。

Q.これらのカリキュラムはどのように組まれているのですか?

私たちは脳内構造や人体構造のもとでカリキュラムを作成しています。人が行動するときや成長するときに大きく影響するのが脳内分泌。人間が一日におこなう数千回の意思決定のうち、95~97%は無意識下のものです。ということは人が行動したり成長したりするためには無意識の意思決定を強化すべきであり、自分の根本を変えていく必要があるということですそして、これら無意識の意思決定を強化するための学習を人体構造を踏まえたうえで各個人に合った方法で進めているのです。

Q.もう少し詳しく教えていただきたいです。

プロセスや結果を出すためにアクションをした際に、褒められたら達成感を感じますよね。そして褒められたら「このアクションは正しかった」と思い、自然と同じプロセスを踏もうと次のアクションにつながります。このときに分泌されるのが、快楽物質と言われている「ドーパミン」です。つまり、達成感を感じる工夫をしてドーパミンが分泌される状況を作れれば、次の行動につなげていけるということです。このように、どういうときにどういう物質が分泌されるのかがわかっていれば、分泌される状況を意識的に選択して自分にプラスの影響を与えることができます。そしてその行動することそのものが無意識のそれになっていくということです。

<無意識下の意思決定を強化する脳内分泌物質の例>

ドーパミン:褒められたり目標を達成すると分泌される快楽物質。「気持ちがいい」「心地いい」などと感じやすくなる
セロトニン:日光を浴びると分泌される。前向きな気持ちにさせ、「今日も1日がんばるぞ」と自分を奮い立たせてくれる

Q.では人体構造はどのように組み込まれているのでしょうか?

人は物事の理解や記憶のしやすい方法が人それぞれで違い、これを認知特性といいます。たとえば以下のようなタイプが認知特性には挙げられます。

<認知特性のタイプ>

①視覚優位:目で見ることで理解・記憶しやすい
②言語優位:文字を読むことで理解・記憶しやすい
③聴覚優位:耳で聞くことで理解・記憶しやすい

視覚優位な人は、図や表・写真で物事を学んだほうが学習が定着しやすく、聴覚優位の人は音声を流していたほうが学習が定着しやすいということですね。認知特性以外にも複数の人体構造の理論をもとに、学生それぞれがどういう感情になりやすいのか、そしてどういう教え方をしていくかを導き出します。それによって、その学生がもっとも伸ばしやすい方法で無意識の意思決定を強化できるというわけです

Q.実際、就活に役立つ対策としてはどのような対策をおこなっているのでしょうか。

基本的に、就活攻略のためのサービスではないため、テクニカルな就活対策というのはおこなっていません。たとえば仮に就活解禁間際の人であれば、グループディスカッションのやり方などの基本的な選考対策は添える程度に、主にヒアリング能力の構築もおこなっていますたとえば言われたことを言葉通りに捉えない、その質問の背景をきちんと捉えるなどですね。これらは社会人になるとあたりまえにやらなければならないことなのですが、学生のうちからできるようになっておくのは少し難しいのですよね。こういった能力も鍛えていきます。ヒアリング能力は社会人になって働くうえであたりまえに使っていくスキルではありますが、実は就活時にも役立っています。たとえば面接で質問されたとき。質問に対するアンサーが崩れないような対策になるわけです。Qに対するAがずれないような思考を鍛えていく。本質の部分を鍛えつつも就活対策もそれを活かして並行でおこなっていくイメージです。

Q.利用学生の層はどのようになっていますか?

世界31ヶ国300大学以上の大学生が参加しています。その中でもボリュームゾーンは大学3年生の夏ごろですね。最近は大学1~2年生の利用者も増えてきていますし、高校生も一部利用しています。

就活を超えたその先を見据えた人たちばかりですね。就活はあくまでも通過点、人生やキャリアにおいてその先の高みを目指したい、日本のトップ企業に挑戦するチャンスをつかもうと皆非常に意欲的です参加学生の学歴はもちろん高いですが正直それは結果論。学歴問わず日本の全就活生の中でもトップレベルの高い意欲や意識をもった人たちの集まりです。先日は沖縄から「GAFAを超える企業をつくりたい」という野望をもった学生が来てくれました。今はその夢に向かって足りない部分、事業の立ち上げ方などを学んでいる最中です。

Q.利用タイミングによっては事業の立ち上げ方なども学べるのですね。具体的な講義内容などをもっと詳しくお伺いしたいです。

<スケマネの講義内容の例>

イーロン・マスク氏の部下として働いていた人による講義
・・・イノベーションを起こすための方法を学ぶ
マーケティングの講義
・・・マーケティングに長けている実際の企業のプロセスを例に挙げながら基礎から学ぶ
新規事業を立ち上げることを想定したワークショップ
・・・全9回で事業づくりを実践で学ぶ

たとえば、アメリカで実業家として活躍するイーロン・マスク氏の部下として働いていた人による講義があります。イーロン・マスクの考え方をもとに、リノベーションではなくイノベーションを起こすための方法について説いているものです。またマーケティングの講義では、誰をターゲットにしどんな価値を与えるか、マーケティングに長けている実際の企業のプロセスを例に挙げながら基礎から講義を展開しています。また全9回という長めの期間をかけて、新規事業を立ち上げることを想定したワークショップも開催しています事業づくりを実践で学ぶワークショップになっていて、どんなプロダクトを作り込むかのアイディア出しから始め、誰をターゲットとしてどんな価値を届けるか。そしてそれができることを実証するためにインタビューを実施しニーズを把握するというところまでおこなってもらっています。学びや調査結果を次週の講義で報告しフィードバックをもらう、そしてそのフィードバックをもとに事業案を詰めていく、という講義になっています。このワークショップを受けることで、新規の事業づくりの過程が一から学べるというわけです。

Q.非常に魅力的ですね。このスケマネの受講はどれくらいの期間受けられるのでしょうか?

基本的には2年間となっていますが、大学1年生から受講開始した場合は2年後も大学生ですよね。そういった場合には2年間に加えて卒業まできちんとアフターサポートもさせてもらっています2年間は講義の受講や実践的授業への参加ができ、修了後はキャリア面談などで学生のキャリア形成を支援しています。

Q.スケマネはどのような学生の利用が多いのでしょうか。

こういったキャリアコーチングサービスは、いわゆる就活に対して「意識の高い」層が利用していると思われがちですが、スケマネはそうではありません。キャリアに対してよく考えている学生もいますが、自分のこれからに自信がなかったり迷いがある学生が非常に多いです。何かを自分で成し遂げたいけれども、どう実現したらいいかわからない、というような意志は強いという学生が多いですね。そこで私たちのプログラムなどを紹介することで、成し遂げたい事柄への道筋が見えてくるようです。卒業後はGoogle、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ゴールドマンサックスなどの有名企業に就職する学生が多くいます。また卒業生とは、取引先の企業の責任者という立場で再開したこともありましたよ。また逆に講師としてスケマネに参画してくれる人もいて、いきいきとキャリアを歩んでくれているだけでなく非常に良い循環ができているなと感じてとても嬉しいです。

Q.もう少し、やる気や熱意に満ち溢れた人の利用が多いのかと思っていました。

やる気や熱意は非常にありますよ! 内に秘めているというか、ただ道筋がわからないというだけです。

地方学生や学歴にコンプレックスを抱えている学生というのは、ある種それで自分の限界を決めてしまいがちだと感じています。でもそれは非常にもったいない。学歴はオプションでしかないですし、事実、就職した企業で活躍する人材に学歴はまったく関係していないことが研究で明らかになっています。むしろもっとも関係があるのは、ファーストキャリアとなった企業で出会った上司の存在とのこと。上司が自身のキャリアに影響を与えるのです。とはいえ誰が上司になるかは不可抗力なところもありますが、企業によって上司の質は変わります。そして良い上司がいるような企業を選ぶことは自分でできる。自分を伸ばしてくれるような上司と出会えるように、企業選びをコントロールできるための教育をしていきたいと思っています

Q.実際に利用した学生のエピソードなどがあればお伺いしたいです。

過去に、一般的に見てあまり学歴が高くない大学の学生がスケマネに来ました。将来に不安を抱えており、大学院に進むか就職するかの二択で迷っていたそうです。感覚としてはふわふわとした柔らかいイメージの学生でしたね。しかし、うちでさまざまなプログラムに参加していくことで、一皮むけた目に見える成長がありました。その後は仕事のおもしろさに気づいて就職することに決めたとのことで、卒業後もアフターサポートを続けていたのですが、先日、大手の人材系の企業に内定をもらったそうです。しかもこれが毎年幹部候補5人しか採用をしない企業とのこと。話を聞いてみると、自分以外の内定者は皆学歴が高いといわれている学校の出身者だったそう。自分だけ学歴が低いことに劣等感も感じず、むしろやる気に満ち溢れている。うちに来る前の姿とは大違いですこのように、いまいちやることがわからないという人でも変わることができます。

Q.では最後に、このスケマネの利用を検討している学生へ向けたメッセージをお願いします。

やりたいことがしっかりしていない、不安があるという人こそぜひ利用してほしいです。そのなんとなくといった不安や疑問はきちんと解消できますし、自分がどう行きたいかが見えてくると思います。変わりたいという意志があれば変われます。スケマネで挑戦の一歩を踏み出しましょう。

荒籾 周平 さん荒籾 周平 さん
荒籾 周平 さん

Shuhei Aramomi●2013年早稲田大学政治経済学部卒業後、大和証券にてリテール営業、投資銀行部門に従事。2018年からアパレル系企業にて営業部門・物流部門責任者としてEC運営に従事。その後、ストライプデパートメントへ経営統合のため転籍し、PMIを推進。営業企画部長、営業・開発部門の責任者を務める。2020年よりXTechからの出向にて、ミクシィとの合弁会社であるクロスポッケの代表取締役に就任。2022年3月よりScale Management(スケールマネジメント)執行役員COOとして、事業全般の統括を担当企業詳細:サービスサイトコーポレートサイト