Q.まずは職サークルについて教えてください。

私たちパフが掲げる「顔の見える就職と採用」を実現するためのコミュニティがこの職サークルです。働くということに対して真剣に向き合う人が集ってゆく、そんなコミュニティを目指しています

Q.今の説明にも出てきた「顔の見える就職と採用」。これはどういった意味なのでしょうか?

就活とは、これから40年続く社会人人生の方向を決めるとても大事なタイミングです。だからこそ、就活生も企業もどちらもがお互いホンネで話せる出会いのシーンであるべきだと考えています。就活生は「内定を獲る」ということに気を取られ、企業は目標人数の採用を達成することに躍起になり、「就活生」「企業」という仮面をかぶったまま対峙してしまっているように思います人生を大きく左右する出会いのタイミングに、人と人とが向き合うことや、まごころをもって接するという視点が抜けている気がしていて、私たちはそこに違和感を感じています。社会の入り口である「就職活動」という機会は、もっと人間臭いものであるべきと考えています。学生は就活用の仮面を剥いで真剣に自分の将来と向き合う。企業は自社の酸いも甘いも丸ごと全部包み隠さず伝えられる。それが当たり前の社会を作っていきたいと思っています。そのための取り組みの1つがこの職サークルという形です。

Q.現在の就活市場についてはどのような課題があると考えているのでしょうか?

いくつかあると思っているのですが、まずは企業側の話から。今は企業にとって都合の良い採用活動がおこなわれている気がしています。企業としては多くの人に自社を志望してほしい。そうすれば採用予定数が不足することもありませんし、志望者を見定め特に優秀な人を選ぶこともできると思っているところも多いと思います。だから、きれいな側面、学生が魅力に感じるところばかりを押し出して、都合の悪いところはわざわざプレゼンテーションはしない。聞かれれば答えるけれど、積極的に開示するのは自社の「魅力ばかり」です。正直に採用活動をしているつもりでいても良い情報ばかりに比重が偏り、それが「思っていたのと違った」という入社後のミスマッチを引き起こすわけですそれでは、学生は育たない。良いキャリア形成はされませんし、実は企業にとっても非常に良くないことです。せっかく採用した人材が育つ前にいなくなってしまうばかりか、ゆがんだ情報開示をしている事実が広まれば学生からは支持されなくなっていくでしょう。

Q.たしかにおっしゃる通りで、それは就活時にも少しばかり感じてはいました。

とはいえ、実は企業としても「正直な採用をしたくても、どんな情報を開示すればいいのかわからない」と悩んでいるがために、必要な情報を提供できていないということもあるのです。

それこそ以前開催した職サークルのイベントで、参加企業と学生がホンネをぶつけ合ったとき。福利厚生についておもしろい食い違いが起きていました。学生から「なんで企業ってそんなに福利厚生をアピールしてくるんですか?」と質問したのに対して、「え、学生って福利厚生について知りたいんじゃないの?」と(笑)企業としては学生が求めている情報だと思って給料や福利厚生について押し出していたのですが、実際に話を聞いていけば、昨今の学生はそこをそれほど重要視しているわけではないことがわかったということです。このように、企業としても学生の「今」がよくわかっていないのです。あえて自社に有利な情報ばかりを提示する企業もありますが、正しく学生の知りたいことを把握していないまま他社やこれまでに倣って情報提供をしている企業もあるということ。企業の学生への理解が薄いところもまた就活市場における課題だと思っています。

Q.そんな裏側があったのですね。学生には知り得ないことです。そしてそれを解消するためのものが職サークルということですね。

その通りです。企業も学生も、お互いがお互いのことがよくわかっていない。そんな悩みに対して、学生と企業がお互いでホンネで語り合って、信頼関係を結べるようなコミュニティが職サークルです。それが顔の見える就職と採用になっていくと思っています。基本的には学生と企業がお互いホンネで話せるイベントを、オンライン・オフライン問わず開催。イベントといっても、合同説明会のように企業が一方的に話し学生は説明を聞くだけというようなものではありません。企業と学生との双方向のコミュニケーションによって、おのおのの思いや価値観を共有することを大切にしています。そのうえで、内定の先、「働くこと」についても自分事としてとらえてもらい、より良い社会との出会いにしてほしいです。

Q.具体的にはどんなイベントがあるのでしょうか。

たとえばギャザリング。複数の企業の社員と学生が集うイベントです。回によってテーマは変わりますが、先日開催した回のドレスコードは「パーカー」。時間帯も夜の開催で、お酒やお菓子を片手に「ぶっちゃけ……」から始まる質問大会を開催しました説明会でよくあるような、企業からのプレゼンは一切なし。「ぶっちゃけ、顔採用ってあるんですか?」なんて、思っていたけど言えない質問をぶつけた学生もいましたね。逆に企業からも「ぶっちゃけ福利厚生ってどれだけ見てるんですか?」という質問がされたことも。

まずはお互いを理解することから始めて、ホンネをぶつけ合う。そうすることで、企業も学生も、お互いのことがより正しく見えてくるはずです。そうすることで初めて、お互いが納得した本質的な採用・そして本質的な就職ができると思っています。これ以外にも本当にさまざまなイベントを用意しています。ぜひ参加してホンネで話せるこのコミュニティを楽しんでほしいですね。

Q.言葉だけではなく、本当にホンネで語れるような土台がそろっているのですね。ではこれから就活が始まる学生に向けて、最後にメッセージをいただければと思います。

就活イベントというのは数多く存在しますが、職サークルほど「『就活』イベント」らしくない、企業とホンネでぶつかれるイベントはないと思っています。就活のために作った自分を捨てて、まずは企業とホンネで向き合ってみませんか。本当に知りたいことを、ホンネで問いかけてみませんか。そして社会を知り、企業と出会い、これからの自分の人生を豊かなものにするための就活をおこなうために、ぜひ職サークルを役立ててほしいと思っています。

平原 葉子 さん平原 葉子 さん
平原 葉子 さん

Yoko Hirahara●2005年パフに新卒入社。新卒第4期生として入社から一貫して営業職として従事。2019年4月より専門役員に就任。新卒採用の課題抽出、解決策の企画提案、プロジェクトの実行を得意とする。現在は「顔の見える就職と採用」の具現化の場である「職サークル事業」の責任者として、企画から運営まで担当サービスサイトコーポレートサイト