Q.まずDRIVEキャリアというサービスについて詳しく教えてください。
NPO法人ETIC.(エティック)が運営する社会課題解決に特化した求人メディアがDRIVEキャリアです。ただETIC.は人材紹介業もおこなっているので、メディアで紹介している企業の一部に関しては、就活エージェントのように個別に企業紹介もしています。つまりDRIVEキャリアは実質的に就職サイト機能とエージェント機能を併せ持ったサービスを提供するサイトだと捉えてもらえると良いですね。
Q.DRIVEキャリアで掲載している求人情報は主にどのような組織が多いのでしょうか?
社会課題解決に携わる法人、いわゆるソーシャルビジネスを展開する法人に特化しています。
ソーシャルビジネスに限らず何のビジネスであれ、企業・法人は少なからず社会的な存在意義を持ち、何らかの社会貢献を果たしています。また収益がなくては事業を継続できないのも共通です。ただし違いもあります。私たちが定義するソーシャルビジネスとは、事業の優先順位として収益よりも社会課題の解決を上位に置いているビジネスを意味します。具体的には子供の教育問題や貧困問題、環境問題などの大きな社会課題の解決にアプローチしている団体を指し、このような団体が掲載団体の多くを占めています。
Q.ということは、DRIVEキャリアの利用者にもそのような社会課題の解決を目指す人が多いということですよね。
そうですね。およそ35歳以下の世代だと、学生時代から授業や講義を通じて社会課題解決やNPOについて学び、触れる機会があったという人も多くなってきています。学生ボランティアやインターンシップを通じてソーシャルビジネスに携わった経験がある人も少なくないでしょう。社会課題解決に対する問題意識を抱える人は一定数いるものの、彼らの多くは大学卒業後の進路としては民間企業への就職を選択しています。しかし仕事を続けるうちに、自社の利益を最優先する仕事よりも社会課題解決への関心が上回り、ソーシャルビジネスへの転職を志してDRIVEキャリアを利用する30代半ばの利用者がもっとも多いですね。
Q.ちなみに、大学生が新卒の就活のために利用するケースはあるのでしょうか?
割合は少ないですが学生が新卒で利用することもありますよ。就活のために利用する人は、インターンとしてソーシャルビジネスに携わり一定の経験を積んでいる学生がほとんどです。つまり、ソーシャルビジネスである程度即戦力になれる人材ですね。そういった学生にはDRIVEキャリアの利用を検討してみてほしいです。というのもソーシャルビジネスの法人は一般的に規模が小さく、ビジネス経験のない人を一から育成する余力がありません。その分、これから初めてソーシャルビジネスに取り組みたいという学生への敷居は高めですが、当該分野でマスターやドクターとして研究成果をあげている学生であれば、DRIVEキャリアを利用してソーシャルビジネスのスペシャリストとして採用される可能性もゼロではありません。
Q.法人側にとって新卒採用はハードルが高いのですね。
そうですね。また逆に学生側からみても、一般的に言ってソーシャルビジネスは民間企業の平均給与をやや下回るため、いきなり飛び込むのはためらわれるようです。ですからソーシャルビジネスに関心がある場合でも、若いうちは民間企業でキャリアを積み力を付けてから転身する。20代後半になってから即戦力やマネージャー候補としてソーシャルビジネスに参画するというキャリアを歩む人も多いようです。
転職・起業・副業の相談だけでなく、新卒学生の長期的なキャリアコーチングも実施
Q.ということは、新卒であれば最初は民間企業から始めた方がいいということですよね。それでは新卒学生はDRIVEキャリアをほかにどのように利用すれば良いのでしょう。
短期的であれ長期的であれ、ソーシャルビジネスを目指す人に対してはキャリア相談をおこなっています。すぐにでもソーシャルビジネスに携わりたい転職希望の社会人の短期的な相談はもちろんですが、いずれはソーシャルビジネスに携わりたいという学生の長期的な相談も受け付けています。その場合は、その人の「つくりたい未来」や挑戦したいことを踏まえ、新卒時にはたとえばこういう企業に入り、そこの分野で経験を積みながら、その先にこの領域のNPOでこんな役割を果たせると良いかもしれないね、と一緒に考えていきます。
その人が進むべき道と現時点でのベストな選択肢を一緒になって考えるのがDRIVEキャリアの役割です。
Q. では実際にDRIVEキャリアを使って、目指す仕事を見つける方法を具体的に教えてください。
DRIVEキャリアのサイトでは、ソーシャルビジネスの種類・分野別のワードで求人を検索することが可能です。たとえば教育、福祉、貧困、環境などのワード検索ですね。さらに2023年7月1日にサービスのリニューアルをおこないました。これによってソーシャルビジネスの分野や法人名だけでなく、たとえばユーザーの皆さんが実現したいビジョンや法人のカルチャー、働き方などで求人検索ができるようになっています。各々に、よりフィットする仕事を見つけられる可能性がより高まったのではないでしょうか。
Q.実際、どんなソーシャルビジネスがやりたいと考えて登録する人が多いのでしょうか。
実際、関心のある分野が明確にある人は全体の3割程度です。7割の人は漠然と「もっと良い社会にするために、手応えをもって貢献したい」というような希望であることが多いですね。中には「この品種の昆虫を絶滅の危機から救いたい・広めたいんだ!」というような、どんなビジネスになるのか想像もつかないアイディアをぶつけてくれる人もいました。
そのような漠然とした希望でも、ビジネスにすることは十分可能です。それがかなえられるよう、まずは具体的に志望先を詰めていく必要がありますが、DRIVEキャリアはその過程からお手伝いもしています。リニューアルを機に、このような漠然とした希望を持つ人に対しキャリアコーディネーターが親身にコーチングをし、自分のやりたいソーシャルビジネスの形をもっと明確にしていくところからサポートすることにもっと注力していきたいと考えています。
Q.ソーシャルビジネスに興味がある人であれば、誰でも頼ってみたくなるサービスですね。最後に就活生へのメッセージを頂けますか?
DRIVEキャリアのキャリアコーチングでは、転職を中心にソーシャルビジネスの起業や副業など、幅広いキャリアステップの相談を受け付けています。新卒の利用は少し珍しいケースにはなりますが、先ほども説明したように、将来的にソーシャルビジネスを目指す学生の進路に関する相談に対しても、長期的な視点に立ってお手伝いができると思います。まずは一度気軽に相談してみてくださいね。